ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

NAPPOS UNITED 『容疑者Xの献身』・1

(映画版もだいぶ前に作られているので特にネタバレ配慮してません。

 原作もドラマ版も全然詳しくないにわかです、すみません)

1年延期になって、チケットも取り直しになったけどちゃんと取り直して、3月に取ったチケットのついに当日になって観てきました!

成井豊さん脚本・演出としては3回目の公演で、私は2回目の石神役が近江谷太朗さん(元キャラメルボックス)の時に観に行きました。それは完全に近江谷さん目当てでしたね。(その時の感想はこちら

今回の劇場は西宮北口兵庫県立芸術文化センターの阪急・中ホール(本当にそういう名前)。初めて行ったのですが、とても素敵な劇場でした。梅田から特急乗れば近いし、全体的に木目調で、シックだけどモダンというか(何だその「こってりとしてそれでいてしつこくない」みたいな)。ちょっとステージは低かったので、後ろの人は見えにくいかもしれない。

「後ろの人は」とかマウント取ってごめんなさい。私達はというと何と最前列でした。正確にはB列だったんですけど、両サイドブロックはB列始まりだったので実質最前列だったんです。劇場で知ったので固まってました。(座席表は見た気がするんだけど)

実は、昨年取った時が最前列でめちゃくちゃ喜んでて、でも霞と消えちゃったのですごく落ち込んだんですよ。「でも今回も2列目じゃん! 近い! すごい!」と思ってたらまさかの最前列だったという。人生二度目(音楽関係を入れると三回目)の最前列でした。本当にありがとうございました。

あと、今回はソワレ(夜回)観劇で割と時間に余裕があったので、映画版を観てから行きました(前にも観たけど復習で)。アマプラで観られるよ。映画だから必要・不要だったシーンもあるし、舞台だから必要・不要だったシーンもあったんでしょうね。(特に具体的には挙げないけど)

で、1日で映画版と今回の演劇版を観て思ったのは、この物語は「石神は花岡親子を助けようとしていて、湯川は石神を助けようとしているんだな」ということでしょうか。今まではその前半しか見えてなかったです。

湯川は「助ける」と言っても、再会した時点で石神が既に罪を犯してしまっているので、できるだけ罪を軽くすることくらいにしかならないんだろうけど。靖子に真実を教えたのは、友人としてのお節介の部類に入るだろうし(石神は望んでなかったから)。

ということで、今回の湯川は多田直人さんでした。多田君のメガネ姿が大好きなので、このキャスティングだけで行かざるを得なかったのですが、劇場で観てたらそれどころじゃなかった。好きだけども。

私は多田君の(役としての設定で)感情乗ってないようで、実はめちゃくちゃ乗ってる演技が大好きでして(あくまで私がそう感じているだけ)。『無伴奏ソナタ』とか『BREATH』とか。

だから今回の湯川も、発する言葉は淡々としているけど、その背中(主に見えてたのが背中だった)にすごく大きなものが乗っているなと感じまして。「ああ、この人(湯川)、友達を助けたいんだ」と思ったんですよ。そのことにやっと気付けたというか。だから(舞台版の)ラストシーンも石神を泣かせてあげるんですよ。その背中にそっと手を置いてあげるんですよ。友達として。

気付きたくない事実にだんだん気付いていっちゃうの嫌だったろうなあ……。あと、湯川は何で石神がそこまでして花岡親子を助けたいのか、その理由は劇中では知らないままですよね、たぶん(自殺しようとした時に来た云々はそのシーンを観た観客だけがわかることだから。靖子も手紙は読んだけど、そこまで詳しく書いてあったかは不明)。それでも、石神の気持ちは最大限汲み取ろうとしてたんじゃないかと思うのです。その上で、やっぱり石神を助けたいと思ったんじゃないかと思うのです。

最後の取り調べと偽って湯川と石神が対峙した時、湯川は全部見抜いてただろうし、石神も見抜かれてたとわかってたんじゃないかなあ。それでもやり通すしか道はなかったし、湯川も何とか真実を話させようとするしかなかった。ただ真実を暴くだけならもっとひどいやり方があっただろうけど、友達だから何とか自分から話してほしかったんじゃないかな。

でも石神が助けたいのは花岡親子だから、湯川の想いとは相反しちゃうんですよね。だって死にたかった自分を助けてくれた人達だから。

今回の湯川先生めちゃくちゃ好きだった……。

そんな石神を演じたのは、今回は何と筒井俊作さん。キャラメルボックスでもキャラメルボックス以外でも常に笑いを巻き起こす筒井君が、今回は一切笑いを取りに行かず、大切な人達を守るためにただただ尽くす役。

守るためにその一番最初に殺人を犯し、そのためには周囲に(だけでなく守りたい靖子自身にも)あえて誤解させ、とにかく花岡親子のためになるように動く人。タイトルの「献身」を全力で生きる人。

私としてはものすごく意外なキャスティングだったんですけど、成井さんは原作読んだ時から構想にあったみたいですね。ただ年齢が若かったので、3回目でようやくとなったけども。私が筒井君を初めて観たのは前説だった……懐かしい。(その前説でちゃんと名前覚えてた)

再演は近江谷さんの石神が好き過ぎて「石神の邪魔をする湯川」という風に観てたんですけど、今回は湯川が好きなので「湯川の気持ちをわかってくれない石神」だったんですよね。それは私が勝手にそう感じているだけで、そういう演技プランだったかどうかはわからないんだけども。

そうか、だから筒井君の石神は頑なだったんだなあ。本当に目的に向かって前しか見てなかった。自分を助けてくれた人達が幸せになってくれることしか考えてなかったんだな。

筒井君はカーテンコールで代表して挨拶してくれたのですが、その内容が優しすぎて心に響きすぎて号泣してしまいまして。でも号泣しすぎて何を話してくれたか全然覚えてないんですよ。唯一何とか聞き取れたのが、「お芝居は不急かもしれないけど不要ではないと思っています」という言葉。カーテンコール終わっても一緒に行った友達と「お通夜か……!」(友達談)というくらい号泣してました。ツイッター検索したらみんなそうだったらしいから! あれは号泣するよね!? エンタメは不要じゃないんだ! 必要なんだー!

続きは後日!