ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

NAPPOS UNITED 『容疑者Xの献身』・2

(映画版もだいぶ前に作られているので特にネタバレ配慮してません。

 原作は最近読み始めて読み終わりました)

続き早く書きたかったのに私生活が立て込んでました……。

原作読み終わりました。何で再演(2012年)の時読まなかったんだろう。めちゃめちゃ面白いですね。ページをめくる手が止まらない。

個人的には工藤さんのバックグラウンドが詳しく知れてよかったです。再演とか映画では言ってたっけ? 今回の舞台ではばっさりカットだったので、「工藤さんが信頼できる良い人」というところに説得力がちょっと足りなかったような。良い人ではあったんだけど。

この工藤さんを演じたのが元・劇団鹿殺しのオレノグラフィティさんなんですけど、何と富樫慎二との二役です。ステージ毎に変えるんじゃないですよ、1ステージの間でですよ。ヒロインの元夫ですよ、クズですよ。そこを二役にしますか、すごい! 確かに出てくるタイミングとしては二役にできるけどさ! 知らない人はあれ絶対別人に見えてたと思う。知ってても別人だったもん。

初演と再演はどうだっけ、と思ったらウィキペディアに載ってまして、工藤さんは三浦剛さんで、富樫は石原善暢さんでしたね(見たら思い出してきた)。そうだよね、別の人だよね? そらまあ、1ステージで二役やるのは決して珍しくないけど(特にキャラメルボックスは)、この2人はキーパーソンじゃないですか。すごいキャスティングですね。

オレノさん『仮面山荘殺人事件』でも拝見したけど確かにすごかったもんなあ(これからもしかしてDVDで初めて観るかもしれない人のために一応ネタバレを伏せる)。てか、他の舞台の映像とかでも観てるけど、毎回違う人みたい。キャラメルの『ジャングル・ジャンクション』とかあんなに面白かったのに、あれはむしろオレノさんの中では珍しい方だったのかも。

大内厚雄さん(キャラメルボックス所属)が演じた間宮刑事も、前回のキャストは川原和久さんでね! 笑いなんていっこもなくてね!(いやちょっとはあった気がするけど)

大内さんはどんな風に演じるのかなと期待していたのですが、意外にも一番キャラメルボックスぽかったです! 割と笑いを取りに行くというか、でも決して大袈裟にではなくて、「そこで!?」みたいな。言葉ではなくてコミカルな動きが急に入ったりとか。そういう意味では、良い意味でとても見慣れた大内さんでした。あれかな、今思うと『ブラック・フラッグ・ブルーズ』のダイゴぽかったのかな。(DVDで観た)

草薙刑事は恰好良かったです! 再演の小林正寛さんは豪快な感じで好きでした。今回は劇団柿喰う客の永島敬三さん。私はほぼ初見のはず(一応、『ナツヤスミ語辞典』を映像で観たけど永島さんをあまり覚えてない)。すっごい真っ直ぐな草薙刑事でしたね。間宮刑事がコミカルで、草薙刑事はひたすら真面目だった気がする。良い意味で再演と全然違いました。

成井さんは「草薙を脇役だと思わないでほしい。ガリレオシリーズの主人公は草薙だから」と永島さんに伝えたそうで(パンフレットより)、それを読んで「なるほど」と納得しました。

花岡親子を演じた渡邊安理さんと木村玲衣さん。2人とも大好きですとも。

何ていうかね、花岡親子が一番可哀想な2人でもあると私は思うんですけども。このエンディングのその後のこと考えたら、どう転んでもそんな良い方には行かないじゃないですか。でも富樫を殺したのも「そら仕方ないわ」って思うし。(もっと利己的な理由で殺してたら物語として感情移入できないので、そりゃそうなんだけど)

だから、石神さんが帝都大の会報持ってるのが草薙刑事に見つからなかったら湯川と会うこともなかったし、正直成功してたと思うんだよなあ。それで本当に良かったかは置いといて。

石神がそう仕向けてるからなんだけど靖子は割と流される役回りで、最後自首しに行くけど、それも美里の自殺未遂がきっかけだし。そもそも美里の方が石神に協力的だったし。うーん、何が書きたいかわからなくなってきた。

結局、この物語のことを突き詰めて考えていくと悲しくなる一方なんですよね(苦笑)。「何かもうちょっと何とかならんかったのかなあ」と思うんだけど。まあでも、それは湯川が諦めずに考え続けた結果でもあるんだな。何で考え続けたかというと、それはやっぱり友達を助けたかったからなんだろうな。

今回はNAPPOS UNITED扱いではありましたけど、ほぼキャラメルボックスと言ってよい内容とキャスティングで、観ることができて本当に嬉しかったです。キャラメルボックス活動再開のお知らせも来たしね! 12月の『サンタクロースが歌ってくれた』、配信してくれたら嬉しいなあ。