ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『BREATH』・2

何かこう、一見お芝居の感想に見えないかもしれませんが。

仕掛けのネタバレを書けば感想になるのかと訊かれればそうではない気がするので、色々考えながら書いてみようかと。

(※そうは言っても完全ネタバレ注意。この作品もネタバレを一切知らずに観た方がいいので)

 

 

突然ですが、気持ちって伝えるだけでは意味がないと思うのです。それが相手に伝わらなければ何の意味も成さないんだと。「伝える」だけの自己満足に終わっちゃいけないというか。

だから、この物語のそれぞれの登場人物は、どうやって気持ちを伝えようとしてたのかなと。

赤星君なら小説を書いたり、小林さんなら自分の指を折ろうとしたり、松山君なら芝居のチケットを渡したり。もちろん言葉で直接伝える方法もあり。

何だろうなあ、何に一番心打たれたんだろう。ペアで言うと希乃ちゃん(真実ちゃん)と土居さん(鍛治本君)なんですけど。特に今日は2回目だったので、事情が全部わかってる訳じゃないですか。希乃ちゃん出てくるシーンが全部切なくて。ほんと切なくて。台詞の意味が1回目は全然わかってなかったから。

2回観たけど一番好きなのはやっぱり土居さん。何でだろう。何か、彼は何も知らない訳で。

だけど、希乃ちゃんは真実は伝えなかったけど、気持ちは伝えたと思うんです。で、土居さんは真実は知らないけど、ちゃんと気持ちを受け取ってくれたんだ。そうか。だからこのペアが好きなのかな。

最後劇場で、柿本親子が希乃ちゃんの話をしてて、「えっ?」って顔を上げた土居さんが本当に凄かった。あの時、1回目は柿本親子を観てたんですけど、視界の端でいきなり空気が動いたんですよ。で、そっちを見て「あ、そうだ。貴方じゃないか…!」って。2回目は角度的に正面から観てたんですけど、切なかった…。

この2人(希乃ちゃんと土居さん)、最初はどうやって出会ったんだろうな。

土居さん、1回目の前半は「気難しいやっちゃなー」とか思ってたけど、本人としては自分のそういう所を独り反省会してたのかなと思うとなお切ない。土居さんが真実を知っちゃって、柿本さんが追っかけていった後って何かあったのかな…?(2人で話をしたとか。後から「あれ、あの後どうなった?」と感じたので)

希乃ちゃんは笑ってお別れしたかったのかな。物語の中で一番頑張ってたの希乃ちゃんだと思う。

風呂木さんも、わかってから2回目を観たら初っ端の台詞から既にやばかった。ああ、そういう意味かと。

…ていうか、これね。ホームドラマチャンネルの放送が先月が『クローズ・ユア・アイズ』で今月が『マイ・ベル』だったんですけど、それすら壮大な伏線だったんじゃないですか、これ!? 観といてよかった、本当に観といてよかった。

メインの2人もめっちゃ好きですよ。赤星君と堀江さん。堀江さん可愛い、めっちゃ可愛い。ネットで晒されるのは辛い(苦笑)。そりゃ殺したくなりますよね(笑)。

赤星君は確かに相手の気持ちを考えてない所もあるけど、でも真っ直ぐなんだよなあ。キャラメル全体でも、多田君の演じた中でもあんまりいないタイプで私は好きです。あらすじだけ読んだ時は、もっとチャラい人なのかと思ってたので「違うやん、めちゃくちゃ真面目やん」と。

最初出てきた時、(遠かったので)白いコート着てるのかと思った。2回目観て「あ、すげえ。ここでちゃんと表現されてるじゃん」と。冷静に考えるとめっちゃすごい人ですよね。小説書きたかったのに医者になってるって。しかも親のため(だけではないだろうけど)に。

でも、「結婚したい」とは言ってたけど「好き」とは言ってなかった。そりゃ伝わらないよ(笑)。ラストシーン、1回目は赤星君を背中から、2回目は前から観たんですね。なので2回目で気付いたんですけど、赤星君めっちゃ照れてた。やばい。多田君がまた私を落としに来てる。

堀江さんはどの時点で気持ちを受け取ってもいいと思ったんだろう。やっぱり最終的には「好き」って言われた時なのかな。あの後、何言ってたんだろうなあ。あのラストシーン可愛すぎて笑顔が止まらない。トーク&フォトブックのこの2人の写真も好きすぎて、私の携帯の待ち受けになってます。(頑張っていい感じに撮影した)

このお芝居、舞台にいるけど台詞を言ってない人の方が実は気になるお芝居で。特に喫茶店

柿本さんの財布をスった後、財布を物色してる小林さんとか(実は今日のマチネは出てきてなかったけど。畑中さんが探してたから「あ、(アクシデント的に)ないのかな」と思った)。日記を見せながら喋ってる赤星君と堀江さんとか。何か堀江さんの表情が渋くて、何聞かされてるんだろうと(そのシーンは台詞として話してる時も面白くて好き。当時の会話を突きつけるところ)。あと久里子ちゃんと長坂さんも結構長く話してた気がする。

茶店以外だと、柿本家のリビングで独りでいる柿本さん。コーヒー飲んでる時も、お酒飲む時も。前者は「あー…」って感じで椅子にもたれてて、後者は何かを決意したようにお酒を飲み干すという。何考えてたんだろうなあ。

柿本家と言えば、スギエさんもカシオももう家を出ちゃって2人暮らしなのかな(カシオはまだ結婚してない気がするけど)。久里子、相変わらず怒りっぽい(笑)。柿本さんが時を跳んだのは久里子が生まれるずっと前なんだなと思うと感慨深いです。

(ところで一緒に行った友達と「歴史改変があったことは、国連レベルでさらに歴史改変して隠蔽された」という結論に達しました)

支配人は、妻も子もいるのにあれだけ帆奈さんに献身的に尽くしてるところが愛だと思うんですよね(恋はやっぱり邪念だと思うから)。初日に一緒に行った友達は支配人が一番好きだそうです。丈二さんの巡査は貴重だった! 丈二さんと理恵さんのペアは昨年の『ブリザード・ミュージック』でも大好きでした。

小林さんは…小林さん、ダメな男だよなあ。赤星君と対照的な感じで。2回観たけどやっぱりダメだったよ?(苦笑) いいのか、本当にいいのか明日美さん。

あ、思い出した。だから2回目は、柿本さんが劇場に行って長坂さんと話してる時の後ろの明日美さんを観てたんだ私。あの話を聞いて、どう思って小林さんにああ言ったんだろう、って。彼が本当に自分を必要としているのか確かめたかったのかな…。合ってるかはわからないけど、今やっと明日美さんの気持ちがちょっと理解できたような気がする。

小林さんにも相当びっくりさせられたけどね! あのアクションに度肝抜かれたけど、それがちゃんとストーリーに絡んでたとは夢にも思いませんでした。成井さんすごい。畑中さんすごい。あー、もうだから恰好良いんだってば! 好きなんだってば!!

ダンスシーンもどっちもすごく綺麗でした。『クリスマスローズ』で物語の始まりを感じて、『Silent Night』できゅんとするという。後者がみんな笑顔で可愛かったんですよねー。せめて12月に観たかった。今年は暖かいせいか、なかなかクリスマス気分に浸れないですね。寒いと朝起きれなくて困るんですけども。

あ、全部ではないですけど、今回は愛媛かと。(苗字)

ということで私の今年のキャラメルボックスも終わってしまいました。今年は9回観た! 『クロノス』『パスファインダー』が今年だったんですよね? DVDで観まくってるせいもあるけど、何だかもう遠い過去のようです。

来年は来年でクロノス・スパイラル2本立てだし。また泣かされるのかな。

客演だけど多田君のOOPARTSも観たい…!

舞台って怖いですね。芋づる式に観たくなる…。お金足りない…。幸せなんだけど。

ちょっとでも伝わってるかなあ。ちょっとでもお返しできてるかなあ。

今年も本当にありがとうございました。来年もとても楽しみにしています!

今日はこっち側でした。(1回目と同じ列の反対側)

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