ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

『カポーティ』

観てきました。

実話を基にした作品で、

トルーマン・カポーティ氏という実際にいた作家が

傑作『冷血』を完成させるまでの話です。

フィリップ・シーモア・ホフマン

アカデミー主演男優賞を取ったことでも話題になったかと。

ホフマン氏のことはまあまあ好きなんですが、

そのきっかけは、(わかる方はわかる通り)

ルンさんに『ブギー・ナイツ』を見せられたからです。

(ルンさんはこの俳優さんかなり好き)

カポーティ』を見終わった後、しみじみとルンさんと2人で

「昔はデブの変態だったのにね…」

と感嘆のため息をついてしまいましたよ。

その言葉だけ聞いたら

悪口以外の何者にも聞こえませんが、褒めてます(汗)。

マグノリア』では普通のいい人役でしたよ!

(今更フォローしてもどうしようもなさそうだが)

映画自身は、

「面白い!」と明るい声を出して言うことはできないし、

話は重いし、

正直地味だし、

梅田・茨木・高槻で調べたのに梅田ガーデンシネマでしかやってないし、

人にお薦めしたいかと聞かれるとなかなか難しいけど、

私は観に行ってよかったです。

ストーリーはもちろん良かったけど、それ以外でも、

とにかく主役も主役以外のどの役者さんも演技力が高かったし、

映像の作り方…というかカットの割り方って言うんですか。

それが綺麗でした。地味なんだけど綺麗。

さて以下は多少のネタバレを含むので、

観ていない方はできたら読まないで下さい。

 

 

いきなり核心ですけど。

最後の処刑直前に死刑囚と会ってカポーティが涙するシーン。

私は本気の涙だと思いました。

ルンさんは、それすらも演技だったんじゃないかなー、と感じたそうです。

どっちだったんでしょうね。

ストーリーが進むにつれ

カポーティはどんどん思い悩んでいくわけですけど、

そうやって苦しむのも

結局は彼の自業自得じゃないかと思いました。

(あくまで映画の中での話です)

そのー…選択肢はいくつもあったわけですよ。

死刑囚のペリーと(本当の)友達になれるか。

ペリーに嘘をつくかつかないか。

自分に嘘をつくかつかないか。

何回か元の道に戻れそうな分かれ道はあったのに、

全部反対側選んじゃったなと。

それも選ばざるを得なかったんじゃなくて、自分で選んだんだし。

その自分で選んだ結果を、

(ペリーのカポーティに対する気持ちを考えると)

後から思い悩むのは筋違いだよなあ。

とか考えたりしました。

しかしまあ、この映画を作ろうと最初に思った人は、

なんで作ろうと思ったのか聞いてみたいです。

あと『冷血』の映画版も観てみたいです。