ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

天使の梯子。

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(クリックで原寸サイズになります)

薄明光線、別名(の1つは)『天使の梯子』という現象ですが、この現象自体は中学か高校の頃から大好きでした。が、名前を知ったのは村山由佳さんの同名の小説を読んでからだったりします。ちなみに読んだのは今年ですorz

さて、小説の『天使の梯子』。丁度10年前に『天使の卵』を読んで、その(たぶん)5年後くらいに続編が出ると知って鳥肌が立って、その5年後にようやく読むに至ったんですが。

すごくよかったです。読んでよかったです。

が、広告で「夏姫が恋した相手は8歳年下だった」とあったので、てっきり夏姫が主人公だと思い込んでたんですよ。そして、実際に夏姫が主人公の話を読みたかったわけですよ。そうじゃなかったのが何とも悔しいというか。(この後、夏姫が主人公の本も出たらしいけど、ちょっとレビュー読んだらイマイチな評判でした)

主人公も全部が全部嫌ってわけじゃないけど、感情移入できないこともないけど、人間的に好きかと訊かれたらそんなに好きでもないし…。

いや、やっぱり主人公の問題じゃないな。さっきも書きましたが「夏姫が恋した」とあったので、ただの個人的願望ですけど、もっとプラトニックから入ってほしかったんですよ。歩太と春妃の場合と対照的にしたくてああいう恋の始まりにしたのかもしれないけど、だからこそ逆に薄っぺらくなってしまったというか。途中までは明らかに「恋した」のは主人公であって夏姫じゃないし。

ストーリーの展開はそれはそれで構わないけど(主人公とおばあちゃんとのやり取りは好きだったし)、夏姫視点が一切ないのは悲しかったです。『BAD KIDS』みたいに交互に語るか、1冊で前・後編(主人公編・夏姫編)にするか、夏姫と主人公で(同時に)1冊ずつ出してほしかったなあ。

ラストシーンは大好きなんですよ。『卵』のラストシーンは「どうしようもないけどそれでも前に進まなきゃならない」って感じですけど、『梯子』のラストシーンは「みんな赦し合ってやっと本当の意味で前に歩き出せる」し、何より夏姫が可愛いんです。それを見て吹き出す主人公がすごくいいのです。

6/4追記。なんか読み返したらわかりにくい文章ですみません。