ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『ヒトミ』DVD観ました。

劇場に行った時の感想はこちら→ 1 ・ 2 ・ 3

2014年の実川さんと多田君のやつです。

『カレッジ~』を観に行った時にDVD買って、翌日に即行で観て、その翌日にコメンタリー観て、もっかい劇場音声で観ながらこれを書いてます。

だって、本当は劇場にもっかい行きたかったんですもん。そこから1年ちょい待ってたんですもん。(庄村さん、坂本さん、ありがとうございます!)

本当、『ヒトミ』全部観てるはずなのに何でこのバージョンがこんなに好きなんだろう。ってまあ、多田君の小沢君が大好きだからだけど。散々書いたけど。

でも、DVDでじっくり観たから実感したけど、私はヒトミの気持ちを全然わかろうとしてなかったなあと思った。

ヒトミはこの物語の間に一体何回絶望したんだろう。小沢君は何回めげそうになって、何回立ち上がったんだろう。

キャラメルで一番好きなカップルは『トリツカレ男』再演のジュゼッペとペチカだけど、今回のヒトミと小沢君も同じくらい好きだ。そして、小沢君は「多田君が演じた中で一番好き」というポジション争いで『バイ・バイ・ブラックバード』の真鍋君とデッドヒートを繰り広げてます。

そういや『鍵泥棒のメソッド』(BLACK)もコメンタリー合わせてもう3回くらい観てて、コメンタリーもすごく面白くて、それに対して「うんうん」とか「そうなんだー!」とか「そうなんだよ!」とか全部に相槌を打った記事を書こうかと思ったんですが、気持ち悪いと思ったのでやめました。(真顔)

以下はネタバレ感想。

 

ということで、全然わかってなかったなと思ったヒトミの話。

コメンタリーで、実川さんが「私だったらヒトミみたいに強くはいられない」らしきことを仰ってたんですけど、私は(ただ私がそう感じたという意味で)逆に弱くて弱くてたまらないから、全てを拒絶するしかなかったんじゃないかなと思いました。

だって、自分にとって一番(たぶん小沢君よりも)大事なピアノを失って(ピアノに拒絶されたと思って)、また取り戻せるかも知れなくて、でもやっぱりだめで。何回も上げては落とされ上げては落とされてるわけで。

だから小沢君のことも、失いたくないから最初から突き放してたんだと思う(事故直後のシーンだけは、まだ小沢君を拒絶してなかったんだよね?)。

今はそんないいこと言ってくれてるけど、でもやっぱり自分が重荷になってしまっていつか離れていってしまったら? そんな喪失感を味わうくらいなら最初からいらないって思ったんじゃないかな。それってつまり小沢君を信じられなかったわけで、信じられないってことは弱いってことかなと。

なので、小沢君は逆にヒトミを信じ続けてたのかなと思いました。信じるというか、見つめ続けるというか。信じるというのも「本当は俺のことを好き」とかそういうことじゃなくて、「本当にヒトミは大丈夫なんだろうか、本当は強がってるだけなんじゃないだろうか」とかそういった意味で。

あと、そもそもね。大変お恥ずかしい話なんですけど、昨年劇場で観るまで「ハーネスを付けても触覚が戻るわけじゃない」ってことをわかってなかったんですよね、私…。そういう意味でもやっとヒトミの辛さがわかったというか。

だから、ヒトミが病院を脱走する時に小沢君が差し出した手を取った時も何も感じなかったんだな。典子に抱き締められた後もすごく複雑な表情をしてるな、って。その時も何を思ったんだろうって。

ダンスは凄いですね。凄いですよね。めっちゃ鳥肌立つ。

そして、何かこう、ヒトミを(物理的に)支える小沢君に泣ける。既に泣ける。

実は、今回のヒトミの服装が何でこんな感じなんだろうとずっと思ってて。チラシとかは初演の理恵さんみたいなワンピース(?)だったので、それで来ると思いきや。コメンタリー聴いて「なるほど!」と思ったんですけど。なるほどなあ。そして、衣装部として衣装を気にするじっきーが可愛かったり。

大友先生は、実は今回のDVDを観て初めて、「あれ、実は大友先生もヒトミのことを想ってたのか…?」と思いまして。で、コメンタリーを観たらその点について触れている鍛治本君の話が「ああ、実に鍛治本君らしいなー!」と感じる内容でした。だから鍛治本君が好き。

あと鍛治本君とは「一番好きなシーン」が同じだったーーー!! もうあのシーンね! 生で観てる時は遠くて見えてなかったから、DVDで観て「こんな嬉しそうだったんかい!」と悶え転げました。でも2回目の『GARDEN』がかかる瞬間もたまらないですよね。ね。

その直前の、ヒトミがばたんと倒れて手を空中に持ち上げた時に、指が一生懸命ピアノを弾こうとしててめっちゃ泣けました。(そこも劇場では見えなかったので)

小沢君の2番目に好きな表情は、「意地を張ってるのはお前の方だろ!」のところ。でも実を言うと大体好き。経過報告の後ろでヒトミを見守ってるところとか。

劇場に観に行った時は若杉君が鈴木秀明君(退団)だったので、関根君の若杉君を初めて観たのですが、関根君これが初舞台ってマジですか!? めっちゃ堂々としてるじゃないですか、すごい! いつか主役を張ってほしい。

朝比奈さんにとって2人の若杉君はシフト制だったんだな。どっちの若杉君でも大変だったろうなー(笑)。

こうして見ると女性陣もめっちゃ好き。安理ちゃんの典子も、岡内さんの佐久間先生も、ももこさんのあつこさんも。典子(および安理ちゃん)の明るさはこの作品の中で止まり木だなあと思うし、佐久間先生もすごくヒトミを想ってくれてるんだなと感じるし、ももこさんはもう…ね(笑)。コメンタリーでも話題に出てたけど、ももこさんあんな綺麗なのに! 声もあんなに恰好良いのに! あつこさんと小沢君のシーンは観てて大変楽しいです。

本当にこの物語って、みんながみんなそれぞれヒトミを想ってくれてるんだなあ。だけど、どんなにこちらを想ってくれてるとしても重たくて重たくて全部突っぱねたくなる気持ちもわかる。そして、ここまで突っぱねられてるのに受け止めてる小沢君マジですげえ。

主役の2人が出てたから余計にそう感じるというのもあるけど、『ヒトミ』も『バイ・バイ・ブラックバード』と同じように「失ったものは戻らないけどその上でどう生きるか」というテーマが根本にあるのかもなー。(だから失ってない時に『ヒトミ』を観てもあまりわからなかったのかも)

ラストに流れる『CHEEKY』がねー…『CHEEKY』の最後のサビが、もう今回の2人にしか聞こえないんですよ。元気だった頃のヒトミと小沢君。で、別れたんだなあと。要するに本編の前日譚に思えるわけです。

そしてラストのピアノを弾くシーンが言葉にならない・できない。そらお母さん号泣するわー! 当たり前だ!(涙) ついに、ついに弾いてくれたんだもの!

あー…、やっぱりもう1回生で観たかったあああ!! 行けばよかった! もっかい観ても小沢君ばっかり観てるけどなきっと!

忘れもしない。私が観に行った日、号泣しながら一生懸命拍手してたらカーテンコールで多田君に茶化されたんですよね(笑)。別に私を見てやったわけじゃないだろうけどさ。けど、それが悔しくもあり嬉しくもあり。すごいなと思ったんですよ、つい今までこんなすごいお芝居してたくせにって。悔しいけどすごいなって。

既に『クロノス』と『カレッジ~』で多田君を観られたけど、今年もまだまだ残ってるし、1回でも多く観られたら幸せです。