(特に前置きなく続き。
本当にネタバレありきで書いてますのでお気を付け下さい。
8/24:真ん中らへんにちょっと追記)
そういったわけで大変面白かったんです、キャラメルボックスの『時かけ』が。本当にちゃんと時をかけてたんですよ! 毎回言ってますけど舞台でこれをやるってのが本当にすごいんですよ!
『パスファインダー』からの流れを汲んでる、あのタイムリープの逆再生の動きが美しかった! 結構な反響を呼んでいるのはツイッターを見て感じていたんですけど、「どういう風にやってるのかな」と、どきどきわくわくしてて。『トリツカレ男』や『鍵泥棒のメソッド』みたいにみんなで飛ばしているのかなとか色々想像してて。
そしたら、思った以上に役者さん個人個人の技術の勝負でした。観てて鳥肌立ちました。物語にがっつり絡んでるのはマナツと輝くんなんだけど、時が戻るのは全員だから全員何かしら逆再生があって。最初はごく短い時間だけど、それが徐々に長くなり。2回目辺りで既に「え、どんだけ戻るの!?」って驚いてたんですけど。川崎悦子先生の動き付けなんでしょうね。悦子先生最近スパルタですね。素晴らしいけど!
で、逆再生もだけど時をかけてるから同じシーンが何回かあるわけで。それが毎回ちょっとずつ違ってて!
東京ではこれを1日3ステージやってたとか…。玲衣ちゃんすげえ。玲衣ちゃん出ずっぱりですよ、袖に戻るシーン1回もなかったですよ。台詞数も半端なかったですよ。
あ、そんでまさかのあの舞台が回ってた! 劇場に入ってぱっとステージを眺めた時に最近のキャラメルには全然なかった感じで、しかもどう使うのか全然予測がつかなかったんですよ。そこでもまたわくわくして。
そしたらあの舞台が回っててさー! あれ、どこが支点だったのか未だにわかってない!
回ってない方の舞台の使い方もすごかったし。キャラメルの場面転換力の高さには毎度毎度度肝を抜かれます。さんざん観てるはずなのに!
登場人物もみんな好きだったー。尾道夫婦も竹原夫婦も可愛くて好きだったー。三浦さん&綾ちゃんと、西川さん&さつきさんというなかなか見ない組み合わせで、新たな発見に心がときめきました! 三浦さん最近すっかりいいお父さん役が板に付いたなあ。西川さんは、西川さんの息子さんがまた1人増えましたね。綾ちゃんもさつきさんも本当可愛かった…!
大内さんと鍜治本君もすごく面白かったです。笑えるという意味でもだし、役としても。身も蓋もない言い方をすると、主要人物以外は「マナツがタイムリープしていることを観客にわからせる」ための役割だったと思うんですけど、だからこそ大内さんがとても楽しそうだったなと(笑)。
鍛治本君はお酒こぼした時の雑巾がけでの腹筋の強さを3回ともちゃんと見てましたよ! でも初めて出てきた時は「チャラい! めっちゃチャラい!」と笑いました。
ちゃんと自分でわかってそういう見方をしてたんですが、輝くんが最初に出てきた時から「こいつ…現代人じゃないな」(渋く)と完全に疑って見てたんですよ。だから壊れたテレビも「ああ、テレビがあると何か困るんだな」と思ったし、マナツとの再会シーンも「ああ今、記憶を操作したんだな」と思ったし。
なので、輝くんとの記憶がどこまで本当なのかも疑ってたんですね。でも、マナツが作家を目指したきっかけは本当に本物の輝くんだったんだなと今思い返してて、今更のように切なくなってます。
だけど、偽・輝くん=リョウと濃い4日間を一緒に過ごして、始まりは本物の輝くんへの気持ちだったけど、最終的にはちゃんとリョウへの気持ちがあったわけで。
だから。いつか、きっとリョウは「竹原輝彦ではない、(略)まったく別の人間として」マナツに会いに来るんですよね(来てくれるんですよね?)。その時マナツは「0秒で気付いてみせるよ」(だっけ? さっきまで覚えてたのに忘れたorz)って言ってたけど、たぶんリョウはその言葉を(嬉しいけど)半分冗談半分本気くらいで聞いてたと思うんですね。だけど、マナツは本当に気付けるわけじゃないですか。
その時の彼の表情を想像すると、とても嬉しくなります。はい。なるべく早くその日が来るといいよね。
今回は入場から前説までが撮影OKタイムでした。この、向かって左が回るんだぜ。