ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『彼女は雨の音がする』・3

(※ネタバレ全開です)

今日、『波』の2回目を観に行くので書けるところまで書いておかねば。

 

前記事であれだけ畑中さんのことを書いておいてまだ書くか、って感じですがもう少しだけ!(少し…少し?)

いや、あの、メガネ姿が美味しかった…じゃなくて。いや美味しかったけど! 似合ってるメガネを掛けてて嬉しかったけども!(←メガネへのこだわりが強い面倒な人)

畑中さんが聞き役ってすごく珍しかったですね。いつもは畑中さんが中心に立って嵐を巻き起こして、少し離れた所でそれを見ている人がいる、という感じだったのに。でも、『雨』で畑中さんが聞き役なのは『波』で嵐を巻き起こした結果ではありますが。

これただの私の好みでしかないんですけど、実は「ストーリーテラーの人がストーリーテラーでしかない」というのはそんなに好きじゃないんですよ(たまにならいいんだけど)。『クロノス』の海老名さんみたいに何かしら登場人物に深い関わりがほしいんですね。(関係性がある、というだけじゃなくて行動とか物語に影響を及ぼしてほしいというか)

『雨』の有田さんは「関わりがある」どころか「新宮さんそのもの」なわけで(記憶はないけど)。そういう意味でもすごく面白かったし好きだったんです。

そんで、「『雨』が『波』の後日談を少し含んでいる」と『波』のカーテンコールで聞いた時に、「どうなるんだ!?」と思ったんです。ぶっちゃけ「新宮さんの記憶は戻るのか?」って。

でも、さくっと結論書いちゃうけど戻らなかった。ここ非常に真柴さんっぽい! そもそも私、新宮さんの体が天使の奇跡か何かで再生されて若菜さんと再会するのかという想像もしてたんです。でも、それもなかった。火葬された新宮さんの体も戻らなければ、消された新宮さんの記憶も戻らなかった。

その辺りがすごく『ヒトミ』とか『バイ・バイ・ブラックバード』に近くて、その辺りの作品に出てなかった畑中さんがこういう物語を紡いでくれたのがとても嬉しかったなと。(逆に実川さんや西川さんを始め、両方出演されてる方が今公演に多数いらっしゃいますね)

と同時に、「畑中さんで創るとこういう物語になるのか!」という気持ちもあったり。新宮さん、前しか向いてないでしょ? そして、有田さんが最後の最後にああ言ってくれて本当に本当に嬉しかった。あの言葉でやっと若菜の心から雨が上がったんだと思います。有田さん、あれ(卵のサンドイッチが好きになった)、何で言おうと思ってくれたんだろな。

今日たぶん『波』観たらぼろぼろ泣くような気がする。

そういや若菜が浦神さんに近付いたのって、悪い部分を暴いてボロボロに書いてやりたかったってことだけど、何でかというと「昔、お母さんが浦神に捨てられた」と思いこんでたからで、それって3年前の自分と重ねたってことなのかな。真の意味では「お母さんの為」にやろうとしたわけではなかったというか。

いや、何で若菜の3年前の失恋の話をもっと掘り下げなかったんだろうと。その失恋相手が出てくると思いながら観てたんですよ。でも、たぶん(脚本上)いらないんだ、その負のモチベーションは浦神さんに向いてるから。

じゃあ何で浦神さんに向いたんだろう、と疑問を感じたところで思い浮かんだのが、冒頭に書いたことかなと。でもそれって、たぶん成し遂げても何にも楽しくないよね。ありがたいことに誰かに復讐したい人生ではなかったので(今のところ)、実際に復讐を達成したらどんな気持ちになるのかはわからないけど。

だから、たまたまあのタイミングで浦神さんに入っただけとは言え、それを救ってくれたのが新宮さんなんだなあと。いや、でも、この物語以前からお互いがお互いを認識してたわけで。だから新宮さんは浦神さんに入ろうと思ったんだから、偶然じゃなくて必然だったのかな。

…いや、でもさ。旭君もめちゃくちゃ若菜を想ってたのよ? あんな甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる幼なじみなんてそういないよ? 何なんでしょうね、人の縁って。「人生はタイミング」が私のモットーではあるけど。(ちなみに説明しろと言われても上手く説明はできない)

航平君、恰好良かった…! 一緒に行った友達2人がダンスに見惚れてまして、それを聞いてから観たら確かにすごかったです(ごめん、真ん中ばっかり観てた…)。動きがなめらかなのに決めるところは決める!

あと好きな所は、初めて浦神さんの家に行った時に席を外すように言われて、顔をしかめて口だけで若菜に「バカ」って言ってるところと、『雨』ではOP&ED・『波』ではEDの、若菜がスタジオに行きかけて「若菜!」って呼び止める言い方と、その後に指先だけで頭をぽんと叩く、その優しい触れ方。すごく距離感を大事にしてるんだなと思った。掴み過ぎるほど無神経でもなく、でもたぶんそこが限界なんだろうな(それ以上踏み込めないんだろうな)という気もしつつ。あとカバン叩いて若菜を止めるところと、ダンゴムシ(笑)。

そしてお見送りではやられました。彼は人たらしだ、すごい(全力で褒めてる)。またキャラメル来てくれないかなあ。陳内君は2回目があったわけですし!

さて、『雨』でもちろん触れなければならないのが白浜家と湯浅家。

湯浅家可愛かったー! 近年、三浦さんにこういう役が増えて本当嬉しい! 『波』の役がすごく好きで、「『雨』は舞台写真見た感じではいかついし、悪役なのかな?」と思ってたら、見た目はいかついけど中身は可愛い御主人で!(最初から素直になればいいのに・笑) どっちも大好きでした!

さつきさん(みんな「ももこさん」って呼ぶけど名前が好きなので私はこう呼びたい)のお母さん役はいつ見ても素敵! 『水平線~』のお母さんも『時かけ』のお母さんも大好きです。さつきさんがお母さんをやると子供のような可愛らしい部分が出るのがいい! でも、じゃあ『波』側のキャリアウーマン誰がやるの?って言うと、やっぱりさつきさんなんですよね。恰好良いんだもん。

そして息子の山崎君!(ポメラで漢字が出ないごめん) 大きくなったね(笑)。畑中さんと並んだら頭ひとつ分くらい違って萌えました(身長差好き)。いい息子さんだったわ~、ちょっと遅い反抗期なのかと思いきやとても両親思いじゃないですか。『BREATH』の時からそうだったけど、山崎君も美咲ちゃんも真実ちゃんも2年目(当時は1年目)になんて全然見えないよ…!?

そして忘れちゃいけない白浜邦子さん(旧姓:椿)。この物語は邦子さんの物語でもあります。

でも、私が何か書く必要もない気がする。

ただ観てくれたら、みっこさんが全部全身で語って下さってます。

ということで次は『波』の感想の続きを書くよー!