ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

『太陽』(2016)

(よくわからない感想だけどネタバレはしているので注意)

あらすじを読んだ時に世界観が大変気になっておりまして(こういうの何か弱い)、WOWOW放送(8月)を録画で視聴しました。

気になった世界観とは大まかに言うと、

「肉体的には健康だけど陽に当たれない(当たると焼け死ぬ)ノクスという種族と、免疫が弱いけど太陽には当たれるキュリオという種族がいて、基本的にはノクスが富裕層として世界を支配しているんだけど、キュリオは手術によってノクスになれる可能性もある」

というもの。

種族と書きましたが舞台は今ではない日本なので両方日本人で、数十年前(?)に強力なウイルスの病が流行った際に、たまたまそのウイルスを克服したのがノクスとのこと。ノクスになると合理的な考えを好むので感情はちょっと欠落する模様。

何かわからないけどこういうの弱いんですよ。「子供から大人になるのに強制的な手術が必要だけど、何か変わっちゃうから子供がそれを拒んで…」とか、よくあるじゃないですか。

弱いからといってそれを題材にしたもの全てが好きなわけでは全然ないのですが。(まあ大体最後は暴動とかそういう流れになるし)

で、出演者も神木隆之介君とか門脇麦ちゃんとか古川雄輝君とか好きな人だらけで。

神木君は、あまり見たことのない神木君で私は好きでした。

麦ちゃんは相変わらず体張ってた…(PG-12で察してください。苦手な人は注意。私も知らずに観たのでちょっとしまったと思った)。麦ちゃん好きなんですよ! こんな体張らなくても好きなんですよ!(涙)

古川君は、やっぱり現代日本じゃなくてちょっと今ではない世界観がめっちゃ似合う。

元々は舞台のお芝居だそうで、確かに映画の見せ方も舞台に近かったです。台詞の言い方とか、長回しとか。こんなの舞台で観たら生きて帰れる気がしないけど…。(衝撃が大きすぎて)

このお話ではノクス=富裕層、キュリオ=貧民層というのをくっきり描いていたけど、主人公達が住む村は「10年前にノクスを死に追いやっているが故に経済制裁をくらっていた」のだから(冒頭ですぐ語られます)、実際はどこかのキュリオはそれなりに楽しく暮らしてるんじゃないのかなあ、とか思ったりしますがどうでしょう。

ただ、それも情報が入らなければどうしようもないわけで。例えどれだけ世界に伝達ツールが発達しても知ろうとしないものは知らないし。(ネットじゃなくて実際の場所としての)コミュニティの狭さは私も実感としてあるので、そこは仕方ないよなあというか何というか。(とりあえず四国はダメらしいということはわかったけど)

何か、本当、「世界がここしかない」ってあるんだよね。本当はそんなわけないのに。でも、そこに暮らしている人にとっては「そこしかない」んですよ。

うーん、感想書くの難しい。

結局のところ、お互いに歩み寄ってれば(種族単位で)もう少し良好な関係が築けたのではと思うけど、歩み寄るって何だろう…。(もはや哲学)

でも、鉄彦(キュリオ・神木君)と森繁(ノクス・古川君)は上手く行ったわけじゃないですか。ここ上手く行ってくれてよかったわ…本当救いだったわ…。

鉄彦は自らがノクスになりたいと志願して、結(読み方「ゆう」・麦ちゃん)はお父さんが勝手に申請しちゃって、でも受かったのは結だった。

結は申請する前から「ノクスにはならない」と言っていたし勝手に申請したお父さんを責めていたけど、最終的には手術を受けて、16年前に自分を捨てて村を出てノクスになったお母さんの元に行った。という皮肉。ここはまあ色々あり過ぎたので仕方ないのかもとも思ったけど。

…あ、だから忘れたかったのかなあ。確かにキュリオからノクスになった結はどこか無機質になった部分もあって、ただ観ているこちらとしてはキュリオの頃の方が可愛かったけど、キュリオの持つ人間臭さがプラスばかりもたらすのかと言えば決してそうでないことを結が自分の身で痛いほど実感してしまったわけで。

鉄彦と結と拓海の3人で最初の方にもう少し描写があればよかったのになあ。この3人でノクスになる・ならないをもっと悩むんだと思ってたから。

拓海と克哉という、「結がノクスになることを決断したきっかけ」(だと私は思う)の人物の最後(最期)がいまいちわからなかったのが残念です。

あー、結のお父さん(古館寛治さん)が拓海をぶん殴って、それを村の人達に問い質されて、でも何も言わずに黙ってるところって「娘を守りたかったから」だと感じたんですけどどうでしょう。(あんな全員集まってるところでわざわざ娘の辛いことを話す必要があるかっていう)

克哉は本当に場を引っ掻き回すだけだったなあ…過去も現在も。

だから結局もう少しお互いに歩み寄ればそれで済む話だったのでは。見下さないとか。無闇に敵意を持たないとか。

というよくわからない感想でした。色々考えたのは考えた。