(全力でネタバレ注意)
成井さん、この『リトル・ドラマー・ボーイ』がオリジナル脚本としては66本目、原作ものも含めると99作目だそうで(配布パンフレットより)。すごいなあ…私が生まれる前から書いてるんだもんな。ということは、来年の『エンジェルボール』の新作が100本目になるのかな。あ、でも『おお振り』みたいなプロデュース公演のお仕事が来る可能性もあるか。
ということで、十文字さん。出てきた時から「今度はどんな悪いことするんだろう…。トオル君、命狙われるんやろか…」と思ってました。ごめんなさい。しかも今回はちょっと生い立ちなんかも語られたりしてましたね。(あくまで知り合いの話にしてたけど)
1年ぶりのはずなんですけど、全然懐かしくなかったです! めっちゃ嬉しかった! 早々に出てきてびっくりしたんですけど、そういや『ティアーズライン』でもそうでしたね。
十文字さん、悪い人だと思ってたんだけど何かいい人っぽいよね? ていうか、いい人だったよね? 仕事自体は犯罪なんだけどさ。相変わらず昭和も大好きでしたね! 今回は政治ネタが多かったので流石にあまりわかりませんでした。
あと実は意外と流されやすい(笑)。「超常現象は信じない」と言ってたけど、でも1年前に横手さんのお母さんの件を目にした上で言ってるんだよな、と思ったら微笑ましかったです。素直じゃないんだからー。
クライマックスの殺陣は最高に恰好良かったですが、オープニングの追いかけっこも大好きでした。怖いけどお茶目なの、十文字さん。
いやー、クライマックスはねー、1回目は見えてなかったんですけど、はっと気付いたらトオル君が手袋外してたんですよ。「あれっ!?」ってなって。舞台の奥で、すっと立ち上がった十文字さんが恰好良すぎて震えました。2回目はちゃんと十文字さんの両目に手を当てるトオル君を見ました! 白い照明が美しかった…!
そう、この白い照明、(ラストシーンも含めて)ちゃんと必要な場面で当たってたんですよ。全然見えてなかったよね。人の目って不思議ですよね。舞台ではちゃんと全部が行われているのに、見たいところしか見えてないっていう。(もちろんそういう風に仕掛けられてるんだけど)
丈二さん何やらせてもすごい…。そして何であんなに恰好良いんですか…。客席退場の時、まあまあ近くで拝見できたんですけどめっちゃ恰好良かったですよ…。でも、キャラメル配りの時(だっけ)にステージから降りる時に西川さんにエスコートされててちょっと可愛かった。あと、来年は十文字さん以外もキャラメルで観たいよね。
お兄ちゃん夫妻はとにかく微笑ましかった! 大内さんが『TWO』のリーディングでもワタル役だったので、「あ、聴いておいてよかった」としみじみしました。そして私は第1子長女なのでワタルさんの気持ちの方がわかります。
ワタルさんは十文字さんと意外といいコンビで。しかも、どちらかというとワタルさんが十文字さんを好きだよね、不思議と。最初は全然そんなことなかったんだけど、2人でトオル君について語った辺りからかな。そもそも、丈二さんと大内さんがこんなに絡んだお芝居って観たことあったかなあ。もちろん共演はしてるけど、役同士がここまで深く話しているところをそんなに観てないと思うので新鮮でした。この2人のバディものとか見てみたい。
綾乃さんはいい人だった…。ワタルさん、いい人と結婚したわ…。魚屋の娘さんって言われてたけど、『TWO』でスーツ6着買って射止めた人でいいんでしょうか。(洋画では大人の事情で、1でくっついた恋人と2で破局していることが少なくないので・涙)
綾乃さんがパイプ椅子をはっ倒したところも、1回目は見てなかったのでトオル君達と同じように驚いてました。2回目は見てた! ここの「トオル君1人で考えさせてあげて!」という台詞がすごく好き。いや、もっと(お兄ちゃんとかお姉ちゃんみたいに)ただ庇うだけなのかなと思ったんです。そしたら、ちゃんと本人の意思を尊重してくれていたので、「あ、めっちゃいい人だ」と。
春世さんも近年色んな役を演じていて素敵だなあ。『BREATH』観たかった…。(神戸はREDだけでした)
冬川先生親子もすごく好きでした。西川さん素敵めっちゃ素敵。美咲ちゃん可愛いめっちゃ可愛い。それこそ『BREATH』でも親子でしたね。
前記事でも書いたけど、冬川先生はトオル君が来てくれただけで嬉しかったんですよね。それだけでよかったんですよね。トオル君としては、自分にできることがわかってるんだからやりたかったんだろうけど、でもそれをしてもきっと先生は喜ばない。これは2人の内のどちらかしか納得できないんだろうなあ。
先生が最後助けに来てくれたところが『ティアーズライン』を思い出して好きでした。あと個人的に畑中さんと対決してたのが、役としても役者としても美味しかった。
この時は先生が全員に見えてたけど、『TWO』でもトオル君って亡くなったお父さんと会話してましたよね? あれがゴーストなのかイマジナリーなのか実はちょっと悩んだんですが。って、ここも『ティアーズライン』ぽいな。『TWO』はゴーストっぽいけどなー。(※個人的感想)
ということでトオル君に戻る。
1回目観た時は自己犠牲だと思ってました。
2回目観た時は、「ああ、もうこの人覚悟してやってるんだなあ」と。
でも、マリちゃんのことをちゃんと考えてね!? 最後、電話で完全に見透かされてたでしょ!?(微笑ましかった) マリちゃんは、マリちゃんも、トオル君にヒーリング能力があるから好きになったわけじゃないんだよ。ただただあなたのことを好きになったんだよ。そんな人を大事にしなくて誰を大事にするの!
と、トオル君に会ったら全力で力説したい(笑)。マリちゃんはそんなトオル君のこともわかってるんだろうけど、だからこそマリちゃんのことを考えてあげてほしい。
だって、このままだとメリーバッドエンドしか思い付かないんだもんさー。トオル君が惜しみなくヒーリングを使って心臓まで麻痺させちゃうっていうね。絶対普通にやっちゃうよ、あの人。本人はそれで悔いがないかもしれんけどさー、っていう。
まあでも、全員が幸せになる道はないのかもしれない…。(例えばトオル君がヒーリング能力を失えば早世はしないかもしれないけど、果たしてそれでトオル君は幸せだろうかと)
なので、この物語はまだ途中だと思うのです。
メリークリスマス。