ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『クロノス』

『TRUTH』観劇を今週に控えたくらげです。こんにちは。

鍵泥棒のメソッド』から『TRUTH』の間に、何か勢いがついてしまって今までのキャラメル作品を色々観ております。

ざっと並べますと、感想を書いたのが『ジャングル・ジャンクション(女組)』『まつさをな』『バイ・バイ・ブラックバード』、書いてないけど観たのが『ミスター・ムーンライト』『また逢おうと竜馬は言った(海組)』『ナツヤスミ語辞典2011』『サボテンの花』『ジャングル・ジャンクション(男組)』、そして『クロノス』。

『クロノス』以外の感想もまた書きたいのですが、端的に言うと、『ナツヤスミ語辞典2011』は多田君目当てでDVDを買いました(作品としてもかなり好き)。『サボテンの花』は多田君目当てでDVDを妹から借りました。『ジャングル・ジャンクション(男組)』も多田君ばっかり観てました。最大瞬間風速的に今一番好きなのは多田君なのです…わかりやすくてすみません。早よ『ヒトミ』のDVD観たい…。

今年の多田君は、あとは秋の1回しか観られないのがほぼ確定なので、その1回に全てを懸けて観る予定です。

 

さて、何で今回は『クロノス』なのかと言いますと。(原作未読)

弟妹とよくキャラメル談義をするんですけど、「キャラメルボックスで一番好きな作品は?」という私の質問に対する弟の回答が『クロノス』だったんですよ。でも私は『クロノス』シリーズ(4部作でしたっけ?)を全く観ていなかったので何も語れず。(弟も観たのはDVDだけ)

今回、弟の家で観られる機会が作れたので、そのままの1回とコメンタリーで1回観て参りました。一言で言うと、確かにこれは「男が惚れる男」の物語だなあと。

あ、あと多田君(とか丈二さんとか)がこの時新人さんで、クロノス・ジョウンターを動かしてたんですよね。あれ人力なんだな…すごいなー。

 

ここから下、早速ネタバレなので要注意。

(エンディングから遡って書いてます)

 

 

そんなわけで、早速エンディングの話からで申し訳ないんですけど。

ラストシーンの後、あれだよね。吹原さん、4000年ほど(だっけ)時を跳んだんだよね…? で、もちろん来美子さんもそれを目の前で見送ったわけだよね。

でもきっと、2人とも笑顔だったと思うんだよな…。特に吹原さん。たぶん何の後悔もないと思う。来美子さんは涙ぐんでるけど笑顔だと思う。吹原さんのために。

(ここから追記)と思ったけど、よく考えたらあれか。来美子さん、吹原さんのそんな事情知るわけないよね? ということは何。もう二度と会えないことがわからないままさよならしたってこと? ちょっと待って、それ切な過ぎる。

いやでも、吹原さんが「好きです」と告白したとは信じる。信じるよ!(涙)

 

ただ、来美子さんが生きるならば、その後の歴史ってどうなっちゃうんだろう。カエルのブローチが元に戻るだけの改変で済むのかな…? というのはやっぱり考えちゃうわけなんですけど。

だって、来美子さんが生き残ったら、吹原さんのために皆がやってたことが全部必要なくなるわけでさ…。歴史が上書き式じゃなくて枝分かれ式なのかな。(『銀河旋律』は上書き式だと思うんだけど)

4000年時を跳んだ吹原さんには、どちらでも関係がないと言えば関係がないんだけど。

 

結末はどっちなんだろうな、と途中からずっと気になってました。流石に4回目を跳んだ時は「ああ、助けられるんだな」と思ったけど。

吹原さんのやってることは、ただの個人的なワガママにも見える。でも、ただの個人的なワガママであそこまで献身的には絶対なれない。自分の人生を懸けてるわけだから。

ただ、吹原さんが来美子さんを助けたい気持ちはもちろんわかるけど、私も観てて心の中で正直反対してました。何て言うんだろう。上手く言えないけど、『バイ・バイ・ブラックバード』を大好きになった理由と同じ、と書けば何か伝わるでしょうか。(どうだろう)

いやー、でも、4回目に行った時の来美子の「私待ってるから!」は鬼じゃないか?と正直思ったんですが、それを弟に言ったら「でも、吹原さんも『また来る!』って言ってるわけだし」と言われて成程と思ったり(その台詞覚えてなかった)。第三者から見ると「貴女を助けることが目的なんだから早く成就させてやれよ!」と考えるわけですが、来美子さんは吹原さんの気持ちに応えたのかなと。

 

たぶん、この作品の登場人物達(主に男性陣)も、結局は吹原さんの気持ちがわかるから、男が惚れる男だから、だから最終的には協力しちゃったんだろうな。最初は「みんなそんなすぐに掌返しちゃうんかい!?」って思ったけど、返しちゃう気持ちもわかるというか。

でも、吹原さん不器用すぎてイライラした、いい意味で(苦笑)。「もっと上手い言い方があるでしょ!? お客さんがお金を払うのくらい待ったらいいでしょ!?」って(笑)。

 

菅野さん(吹原さん)が風に跳ばされる(というか、私は逆に吸い込まれるイメージで観てたけど)時の体の動きがすごかったです。あと、その時間から消えて残された人が呆然とする表現もすごく好きでした。

こんな恰好いい菅野さん初めて見た。そして吹原さんが菅野さんだったからこそ、この物語が素晴らしいものになったんだなと。

5回目跳ぶ時の、クロノス・ジョウンターにもたれかかって一瞬顔を伏せるシーンが何とも言えなかった。私は、クロノス・ジョウンターに「頼むぞ」って言ってるように見えたんですよね、あれ。もう半分相棒みたいなものというか。

 

ところで、私が感想を書くからには頼人には絶対触れないといけないのですが(真顔)。うん、頼人さん超恰好良かった。何かのアンケートの設問(忘れた…)の回答に畑中さんが頼人を挙げてたので観たいなと思ってたんですけど、確かにこれは思い入れのありそうな役だなと。

喧嘩シーンとかも含めてめっちゃ恰好良かったです。(でもこのシーン、「流石に西川さんには勝てんやろ」と思った・笑)

前に、畑中さんが演じられた中で好きなキャラBEST5を書いたんですけど、既にだいぶ変わってますからね。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の克郎さん絶対入れたいし、頼人も入れたいし。(でもジュゼッペ1位は不動)

実は、吹原さんを倉庫に連れていくタクシーのシーンで、吹原さんが語っている後ろで頼人とさちえがサイレントで喋ってるじゃないですか。あの時、「もしかしてこの2人くっつくのかな…? いや、それは流石にご都合展開過ぎるか(私がついついそういう目で見てしまうので)」と密かに思ってたんですよ。

そしたら、本当に結婚しててさ! しかも跡継いでてさ! そんで吹原さんのためにクロノス・ジョウンター残してて…。ここが明かされた時、本当に「頼人さん恰好良すぎる…!」と心の中で叫んでました。

クールな畑中さんも好きだなあ。(でも『竜馬』の岡本さんとかも大好きですよ)

藤岡宏美さんのさちえも、勝気で、それなのにすごく可愛かった。藤岡さんは『クロノス』が最後だったんですね。

 

細見さんと綾ちゃんのリアル夫婦もすごくよかった! 細見さん、キャラメルにいる時はコミカルな役も多かったんだなあ(でも『C』の三國さんみたいな役もまたやってほしい)。ちょうどこの頃に御結婚されてたんだなと。

達也さんが大森さんのことを「相手役のために台詞を発することができる役者」と表現なされてたけど、私にとっては綾ちゃん(や理恵さん)もそんな役者さんです。

 

ずっと舞台上で吹原さんを見守っている御二方も素敵でした。左東さんこの時点でかなり素敵な役者さんだなあ。理恵さんは言うまでもなく。

 

そしてWIKIを読んだら、ただの脇役だと思っていた花屋の圭さんも鈴谷先生も、のちの重要人物だと知って鳥肌(野方さんは知ってたけど)。

おおお、これは観たい。うちの妹が『ミス・ダンデライオン』大好きなんですよね、確か。

完全な余談ですが、ナース姿のじっきーは可愛すぎました…。(締めがこれか)