ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

『ドクター・ストレンジ』観てきました。

全力で趣味丸出しの箇条書き感想ですみません。何気にネタバレあるのでお読みの際はお気を付け下さい。

・ベネさん(ベネディクト・カンバーバッチ)『SHERLOCK』の時は、シリーズ序盤の若い頃の方が好きだったなと思ってたけど、年食ってからの今回のストレンジさんすごくよかった。

めちゃめちゃ腕の立つ外科医だけど、自業自得の自動車事故で両手を負傷して医者に戻れなくなって、でも何とか取り戻したくて色々試みるんだけどだめで、絶望して周りを傷つけまくって、そこから(色々あるけどとりあえず飛ばして)魔法に目覚めていく間に自分の傲慢さとかに気付いて少しずつ殻が取れていく――という過程をよく演技で表現できるもんだなと。

あと、ストレンジさんは実は望んで戦いに巻き込まれてたわけじゃなかったんですね。それなのに、よくクライマックスであんなに自己犠牲精神を発揮できるもんだなと思って。医者だ(った)からかなあ。

・そしてベネさんのキャラが報われない恋をしていると喜んでしまうひどい女がここにいます(シャーロックとモリーの関係好きすぎた)。いや、今回はいつかもう一度くっついてほしいんだけど。台詞と小道具だけで関係を絶妙に表す素晴らしい脚本でしたってば。

同僚で、元恋人同士で、今も関係は悪いわけではなくて、前述の事故に遭った時はクリスティーンが献身的に支えて、けど彼がすごくひどいことを言って彼女が家を出て行ってしまった、その直後にストレンジさんが窓に手を付いてうなだれてたあのシーン! あれ後悔してたんですよね!? ええ、あの一瞬で落ちましたとも。はい。

他にも、たくさん高価な時計を持っていたのに手の治療のために全部売ってしまって、最後に残った時計をカトマンズで暴漢に奪われそうになった時に必死に守ろうとするんだけどボコボコにされて、(モルドに助けられるんだけど)戻ってきた時計は文字盤のガラスも割れてるしボロボロで。その後ろには彼女からのメッセージが刻まれてるっていうね! (おそらく)彼女からの贈り物だったから最後まで大切にしてたのねっていう! 私をそんなに喜ばせてどうする!(どうもしない)

・たまに我に返ると「ベネさんが本当にマーベルにいるんだな…」と不思議になる。早くMCU内でマーティン・フリーマン(『SHERLOCK』での相棒)と共演しないだろうか。そして三上さんと森川さんでの吹き替え版を観に行きたい。今回は字幕だったので『ドクター・ストレンジ』も吹き替えで観たい。最初はベネさん=三上さんだったので、ベネさん自身の声を聞いた時に思ったより低くてびっくりしましたが、最近はご本人の声も好きになりました。

・それで言うと今回のヒロインはレイチェル・マクアダムス。映画版シャーロック・ホームズの相手役が、ドラマ版シャーロック・ホームズだった人の相手役になるという。めっちゃ可愛かった! てか私、映画のアイリーン大好きだったんですってば。何故消えた…。大人の事情ってやつなのか…。MCU内でいいのでロバートさんと共演して下さいお願いします。

・「エンシェント・ワンって役者さん誰だすげー」と思ってたらティルダ・スウィントンさんでした。そら人間じゃないわ。(※全力で褒めてる)(ティルダの人間じゃなさを味わいたい方はキアヌ・リーブスの『コンスタンティン』を是非。結構グロいけど)

映画観終わってから同居人さんから「結局エンシェント・ワンも悪かったんじゃ…。彼女も○○(一応伏せる)使ってたわけだし、自分は使ってるくせに弟子には禁止して理由も説明しないし」という意見を聞いてなるほどと思いましたが、私としては使った当時の理由はわからないし、自分が使ったからこそ「やっぱり禁止しなきゃ」と思ったのかもしれないし弟子をわざわざ危険な目に遭わせたくないだろうし(それならそれであの本をもっとわからん所に封印しとけとは思うけど)、アストラル体同士でストレンジさんと話してた時に「何度も何度も守ってきたけどやっぱり悪が襲ってくる」みたいなことを言ってたので、仕方ない部分もあったんじゃないかなと。

・実はちょっと「魔法使いバディもの!?」と期待したのですが違いました。残念。(原作知ってる人からすると、あの人が最初味方で「あれ?」となったらしい)

・バディは人間じゃなくて浮遊マントなのかも。マント可愛かった…! マント優しい…!(本当です) マントと初めて会った時に「あ、このマントがキーアイテムなんだな」とさりげなく思わせる映像での捉え方が素敵でした。

あのマジックアイテムがいっぱい飾られてる場所は昔の映画の『オズ』(1985年)っぽくて何か好きでした。ダークファンタジーで子供心に結構怖かったんですけど、何か好きでビデオで何回も観たんですよね。

・正直言うと、敵の目的は高尚すぎてよくわからなかった…。あの人(マッツ・ミケルセン)が何のために永遠の命を求めたのかなと。

あと(禁断ではあるけど割とさらっと使っちゃった)時間も操れちゃうストレンジさんと、元からいる社長とかキャップ達がアベンジャーズでどう絡むのかが気になるところ。今回のおまけではソーさんと談笑(?)しててものすごく納得したけど(ソーさん神だし)。ソーさんの持ってたビールが湧き出るジョッキはD&D3.5版のマジックアイテムぽくて好きです。

・映像技術は流石の一言。一言で済ますにはとんでもない労力がかかっていると思いますが。映像美ももちろんですが脚本も素晴らしくて、本当に映画を観ていて中だるみする部分がなかったです。映画終わって時計観て「あれ、意外と短い」と思ったくらい。でも、ちゃんと緩急はあるんですよ。

強いて言うとエベレストに置き去りにされて、そこから帰ってくる時をもう少し描いてほしかった気がしないでもない。どう魔法に目覚めたのかが知りたかったから。(その直前にエンシェント・ワンが難しいこと言ってたので尚更)