ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

『グレイテスト・ショーマン』

実は『ラ・ラ・ランド』と同じスタッフだと聞いて敬遠していたのですが、観に行った理由は、

・「『ラ・ラ・ランド』が合わなかった人は面白いと思う(逆は逆)」という意見をツイッターで読んだ(合わなかったんです、すみません)

バズリズムに出演していたキアラ・セトルさんの『THIS IS ME』が凄すぎた(聴き入り過ぎてテレビの前で固まってた)

からです。

実際は音楽スタッフさんが一緒なだけで、脚本は『シカゴ』(歌も含めてめっちゃ好き)の人だったので、「あ、そら私好きだわ」と後から思った次第。細かい伏線が張られては、しっかり回収されていく。すごい。

一応、実在した興行師さんの物語で山あり谷ありではありますが、上質なエンターテインメントに仕上がっているので何も考えずに楽しんだらいいと思います。ぶっちゃけ『SING/シング』(歌も含めて以下同文)とよく似てます。でも、それはすごく良い意味で。

開始5分で既にクライマックスだったんですけど、中盤からずーっと泣いてた。キャラメルボックスを観る時と同じくらい泣いてた。映画でここまで泣くことってなかなかない。『THIS IS ME』がどういうシーンで使われるのかすごく気になってたんですけど、あの入り方はずるかった。あれは泣くしかない。自分でびっくりするほどぼろぼろ泣いてた。

サーカスに引き入れられた人達は本当に色々な境遇の人達だけど、それを「見世物だ」とか批判しちゃう人は結局その人が差別意識を持ってるからでしょ、ってことだよね。(ミゼットレスラーとかもね。WWEのホーンスワグル君好きでした)

もっとバーナム(主人公)の人生をじっくり描いていくのかと思ってたんですけど、少年時代から大人になってしかも初恋の人と結婚するまではすごいスピードで描かれてまして、でもそれがちゃんと伝わるんですよ! 台詞じゃなくてぱっと映し出したシーンで「あ、お父さん病気なんだ」とか、「あ、天涯孤独になっちゃった」とか。

強いて言うとチャリティ(後の奥さん)に手紙を送る時はさておき、受け取る時はどうしてたんだろう、というのだけが気になったけどそれくらい。(住む家もなくなってしまってたぽいので)

あと最後まで泣かされた、スクリーンに映し出された最後の言葉。「最も崇高な芸術は人を幸せにすること」。私が劇場(演劇・音楽など問わず)に通う理由はまさにこれです。(けど「ハッピーエンドな物語ばかり観たい」という意味ではないですよ)

そらまあ実際のバーナムさんはここまで美しいエピソードではなかったかもしれないけど(というか映画の中でも決して根っからの善良な人というわけではない)、『グレイテスト・ショーマン』という映画が面白かったのでそれでいいんじゃないかと。

たまたま大きなスクリーンで観られたのもよかったです(わかる人にしかわからないけど、昨年のゴスペラーズ苗場ライビュやってくれたスクリーンだった)。これは絶対映画館で観るべき。

サブキャラクター達もみんなよかったなあ。フィリップ、スカしてると思ってたのにめっちゃ良い奴。空中ブランコのアン役のゼンデイヤさんは『スパイダーマン:ホームカミング』のミシェル(実質ヒロイン)だったんですね!? あんなに幼く見えたのに今回めっちゃ綺麗だったよ! ダンサーでもシンガーでもあるそうなので、あのパフォーマンス部分も割と自分で演じたんじゃないだろうか。フィリップとのシーン素敵だったなあ。

ちょっと待ってヒューさんそのものに全然触れてなかった。恰好良かった、恰好良かったですよ。もうウルヴァリンのイメージも脱却したんじゃなかろうか(ウルヴァリンも好きだけど)。私が観た彼のミュージカルは『レ・ミゼラブル』くらいだったんだけど、元々ミュージカルもたくさん出演されてたんですね。

映画のシーンをそのまま使ったリリックビデオ(公式)もあったんだけど、こっちの方が歌のすごさが伝わりそうだったので。