ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『夏への扉』感想続き。

寒暖差に負けたのか微妙に風邪をひきました(喉と鼻)。花粉症ではないはず。違うはず。

ということで脈絡なく続き。

まずはゲストのお二人から。

井俣大良さんについては前記事でも書きましたが、『仮面ライダードライブ』で1年通して拝見しておりました。なので、今回キャラメルにゲストで出演されると知ってびっくりでした。「あれ、ここも繋がってるの!?」と。(井俣さんが元々舞台役者さんだと存じてなかったので)

そして実際に今回の舞台で拝見してみると、その時のキャラと全然違う! 初演の西川さんの役だとツイッターで読んで知っていたので、「じゃあ初っ端から出てくるじゃないですか」と思って観ていたのですが、「あれ、落ち着いた大人の男性だ…?」と。だって現さん(『ドライブ』で演じていた昭和っぽい熱血刑事)のイメージしかなかったんだもん!(汗) 本当に役者さんってすごいね!

井俣さんの演じた役はどれも好きでした。ジョンはもちろん言うまでもないよね。あんな良い人なかなかいない。でも、ただただ良い人というわけではなく、ちゃんと一度疑って、奥さんのことも守ろうとした上で、自分の気持ちでちゃんとダニエルを信じてくれるという。(弁護士だからお仕事柄、疑わなきゃいけない場面も多いだろうしね)

ダニエルが最初のコールドスリープから目覚めた時のお医者さんも良い人だったし、ハイヤードガール社の社長は面白かったし(あれって秘書の女性と御夫婦なんですよね?)。1つの物語で4役も井俣さんを楽しめてしまったのか。嬉しい。

井俣さん目当てで来て下さったお客さんとかいらっしゃらないかな。なかなかいくつも劇団追っかけられないけど(どうしてもチケット代がね)、少しでもキャラメルボックスに興味持ってくれたら嬉しいなあ。

百花亜希さんは初めて拝見したのですが、とってもキュートでチャーミングな女性でした!

ジェニイもめっちゃ良い人。御主人(ジョン)とお互いを補い合ってる素敵なご夫婦。ジェニイが疑わないからジョンが疑ってるんだろうし、でもジェニイがまっすぐ信じるからジョンも信じてくれるんじゃないかなと。

30年後の電話のシーンはめっちゃ泣けた…。ジョンが「何もかも君の言った通りになった」と言ってたけど、きっとそれは貴方達がめちゃくちゃ頑張ってくれたからなんだよ、と心の中で叫んでました。ジェニイもずっと待っててくれたんだろうなと。

ジェニイ以外は割とコミカルな役が多くて笑わせてもらいました。でも判事さんがダニエルの味方になってくれてよかった。

毎回ゲストの方が来られる度に思うんだけど、「えーと、元からいらっしゃいましたよね…?」くらいの馴染みっぷりがとても嬉しかったり。

でも私、終演後のアンケートに書きたいことが多すぎて、でも感動しすぎてまとまらなくてゲストさんのこと一言も書けなかったんだけど、ものすごく後悔してきた…。一言でも書けばよかったー! ごめんなさい! 本当に素敵でした! ありがとうございました!

 

次は若手さん達。

彩織ちゃんのハイヤードガールめっちゃ可愛かった…! あれずるいなー。2000年の世界でダニエルが再会できて元気出してくれたのも嬉しかった。

あと冷凍場にいた看護師さんの時、相手誰だったっけ?(矢野君かな?) 関係性が明らかにこの看護師さんの方が強くて可愛かったのですが(笑)。

いや、でも本当に彩織ちゃんすごいと思う。絶対いい役者さんになると思う。もう既にヒロインやってるところが何か見える。

ロボット繋がりであさみちゃんの勤勉ビーバー。これすごかった、本当にすごかった。完全にロボットだった。

一番すごいと思ったのは、確かダニエルとジョンが喋っている時にトレーに乗ったお茶運んできて、置いて、お茶置いて、もっかいトレーの持ち手を持つ時の腕と指の動き! 奥様ここ見ました!? 2回観たけど2回とも見とれた! 今思い出しても「ほあああ…」ってなる。

あと、この直後だったっけ。矢野君の製図屋ダンと、手前で真面目なシーンやってる最中にずーっと何かやってたやつ(笑)。最初は掃除してたけど、途中からダンが書き上げた地図を運んでテーブルに置いて、とずっと無言で何かやっててめちゃめちゃ面白かった。1回目は全然目に入ってなかったけど、やっぱり2回観れると色々発見できて嬉しい。

初めてダニエルがビーバーと出会った時もロボット以外の何者でもなかったもんなあ。「申し訳ありませんが、これをお読み下さい」が耳から離れない(褒めてる)。ところで「国を讃えよ」をプログラムしたの誰だ(笑)。

ということで矢野君の製図屋ダンが好きでした! 無言で動きだけで面白いのすごい。三角定規とかをしゅぱしゅぱと回すの恰好良かったし。

あと矢野君はいいメガネ男子です。ぜひメガネ掛けよう。(先輩の多田君もいいメガネ男子)

島野君は思い出したら真っ先に出てくるのが看護師さんの時の側宙! 『ティアーズライン』の前説で1人ウルトラマンやった時から確かに動けそうではあったけど。勤勉ビーバーの呼び方がその場で「看護師さーん!」なのも笑ったけど、まさか側宙で出てくるなんて夢にも思わないじゃないですか!

トーク&フォトブックの座談会でも話しておられたけど、島野君はキャラメルの中でも運動神経良い方らしいです。羨ましい。これから殺陣ありのお芝居にも期待大ですね!

2年目の御三方ともこれが初舞台とか信じられない。

では人間組。同期同士の竹鼻君と元木君。(山根君退団しちゃったね、残念すぎる…)

竹鼻君やっぱ上手いなあ、と毎回しみじみする。チャックを演じている時の、ダニエルの「あーあ、タイムマシーンでもあればなあ」に対しての「…あるよ」の言い方がめっちゃ好きでした。思わずぽろっと言っちゃったのもあるし、たぶんチャックもトウィッチェルの研究が認められてほしかったんじゃないかなあとか。

最初のミュチュアル生命のお医者さんの時も、職業的良心だとしてもダニエルにちゃんと考え直すチャンスをくれたわけで。むしろ、そういうのの方が本当の優しさなんじゃとか思ったりする。

元木君はマクビーの時もいい存在感だったけど、最後の保父さんめっちゃずるかった(笑)。ピート逃げて(笑)。

冷静に思い出すと「え、同一人物なの?」ってなるよね。しかも1本のお芝居の中でですよ。警備員と冷凍場の会計員とマクビーと保父さんって全部キャラ違ったよ? すごい。警備員さん、射撃の下手さをアピールして帰らせるのって、ある意味平和的解決では。

あ、ちょうどピートに帰ってきた。ピート、すごかった。すごかったわー。あの序盤の大立ち回り、本当に大暴れでしたもん。ゴルフクラブとか間一髪でしたよ。でも顔を洗って落ち着くところはすごく可愛かった(笑)。リッキイとのふれあいも微笑ましかった。

だけど、ピートも一旦ダニエルと離れ離れになってしまって語り役になる、その時の見守る目が優しすぎてね。泣くしかないよねっていう。

そしてピートを助けたのはやっぱりダニエルだった。

あの後、2人と1頭で末永く幸せに暮らしたんだろうな。筒井君のピートをちゃんと劇場で観られてよかったなあ。

ところでSF的にはやっぱり難しい! いや、わかるのはわかるんですけど。同じコインが2枚存在したように、ダニエルも2人存在してたんですよね(両方ほぼ眠ってたけど)。実はダニエルがダニエル追っかけてたっていう。で、自分には会ってないからパラドックスではないはず?

コールドスリープとタイムトラベルってどちらかだけでも充分物語のキーワードになるのに、よく両方入れてきたなあ。これが60年前の作品って、そら出た当初みんなたまげたやろなと…。ハインラインさんすごい…。『宇宙の戦士』もハインラインさんなんですよね。

とにかく思い出しても思い出しても幸せな作品でした。ただただ「ありがとう」って言いたいです。

今回のダニエルが、畑中さんがキャラメルで演じた中で一番恰好良いんじゃないかなあ。(異論は認める)