ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『サンタクロースが歌ってくれた』2021・2

(わかる人にしかわからない書き方をしています。ネタバレもしてます。御了承下さい)

 

はい、ということでですね、私がキャラメルボックス(に限らないんだけど)で一番好きな役者さんが畑中智行さんです。

畑中さんはたぶん最初は映像でちょこちょこ見てて(印象的なのが『ブラック・フラッグ・ブルーズ』と『スケッチブック・ボイジャー』)、生でしっかり観たのは『雨と夢のあとに』で(ほっくん大好きだけど、実はその時のお目当ては子役時代の福田麻由子さん)(むしろ『雨夢』観てから上記のDVD観たのかも)、その後(その頃は私がそこまでキャラメル熱がなかったので)間が空いたのですが、2011年の『流星ワゴン』でチラ見して(チラ見とは)、2012年の『トリツカレ男』で頭をぶん殴られ(比喩)、2013年の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で「何で……何でやねん……」と号泣させられ、その辺から心を鷲掴みにされて今に至ります。私を一番泣かせるのは畑中さん。(誤解を招く表現)

キャラメルボックスでも毎回出演されるわけではないので、出演される公演の時は頑張って複数回行ってました。本当好き、めっちゃ好き。何ででしょうね。

畑中さんって台詞喋ってる時ももちろん素敵なんですけど、台詞喋ってない時の感情のほとばしり方がすごくてね。それを最初にくらったのが2012年の『トリツカレ男』でして。

主人公のジュゼッペ役で、ペチカとタタン先生の回想シーンを(話として聞いている体で)黙って見ている場面があるんですけど、ジュゼッペはペチカに片想いしてるのにペチカが好きなのはタタン先生だと発覚するシーンで。しかも2人が両想いでめちゃくちゃ幸せそうなので、ジュゼッペが途中からつらすぎて俯いちゃうんですよ。その時のやるせなさというのが見てるこっちが泣くしかなくて。私の拙い説明で伝わらないのがつらすぎるんですけど。

これがまたDVD収録の映像には映っておらず、私自身はもう確かめられないというか。自分の記憶を呼び起こすしかないんですね。

(2021年版の野田君ジュゼッペはこの時どうしてるのかが大変気になる。DVDは今日買ってきました。畑中さんがジュゼッペの相棒のトト役なので!)

 

2010年以降の感想なら大体残してあるのでよかったら読んで下さい。文章が拙くて恥ずかしいけど。(今が上手いわけでもないけど)

 

(この辺から『サンタ~』のネタバレ有り)

 

 

 

 

そういうわけで、今日もそういうところが好きでした!

前半はね、ミツさんが消えた辺りから、上手いこと舞台の端の光が微妙に当たらない位置で複雑な表情しててね。「ああー、そんな顔しちゃうの? 好き!」と思いながら見てたんですけど。特に今回は台詞喋ってる時は嘘ついてる役だもんな。

その後も事あるごとに核心に触れそうなことがあると表情が複雑で最高でした。1回しか観てないと覚え切れなくて書き出せないんだけど。何だっけ、監督の奥様に恋の話されてたのはどういう流れだっけ……(『サンタ~』は戯曲無料公開にないのでわからなかった)。それも直接されたんじゃなかったので、ちょっと後ろでぱっと顔上げるみたいな感じだったんだけど、最高でしたね!

あと、あれだ。芥川さんがフミちゃんに真剣に怒ってるのを後ろで見てるところ。芥川さんはフミちゃんをめちゃくちゃ大事に想ってるからこそ怒るんだけど、それに対して太郎君は自分のつまらねえプライドのために好きな女をぞんざいに扱ってるわけじゃないですか。その対比で複雑な顔をされてましてね。

だから、私はこの作品だと圧倒的に芥川さん派で太郎君のことを全然好きじゃなかったんですよね(苦笑)。なので、実は「畑中さんが演じる太郎を好きになれなかったらどうしよう」と思いながら劇場に来たんですけど、完全な杞憂でしたね! よかった!

ただね! 劇中の現実の畑中さん(ややこしい書き方)は台本を読み込んだからこそ、あの解釈に行き着いたわけじゃないですか。それはそれで役者としてはめちゃくちゃ偉いと思うんですよね。(ということにようやく気付く)

何かね、普っ通に考えたら、今までは芥川が西川浩幸さんで太郎が上川隆也さんなんだから、今回のキャストだと芥川が畑中さんで太郎が多田直人さんのような気がしません? でも衣装付きの写真が公開された時に「逆なんだ!?」とびっくりして。それでめちゃくちゃ期待が上がったのもあるんですけど。

いやー、ずっと多田君に畑中さんを裏切ってほしいと思ってたんですけど(どういうことなの)、まさかの逆なんだと。それはそれで美味しいと気付いてしまい。

こんなこと言うと人間性疑われそうだけど、ハッピーエンドが好きだけどそこに辿り着くまでに畑中さんが苦しんでるのを見たいんですよね……。何言ってるんでしょうね……。何だろなー、私がやっぱりヘタレ萌えだから揺らいでる人が好きなのかな。

畑中さんの相手役がこれまた原田樹里さんだったので、そのキャスティングも最高でした(『キャロリング』大好き)。全てが解決して最後に銀幕に戻る時に、先に上がった太郎君がミツさんに手を差し伸べて、ミツさんがその手を取るのを私は見逃さなかった。最高でしたね! 最高でしたね! 台詞のないところでそういうことするの本当ずるいよね。(褒め言葉)

とりあえず久々に畑中さんについて語りまくれて私は幸せです。(一旦切る)