ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

キャラメルボックス『アルジャーノンに花束を』

観てきました。(19日14時の回)

…たぶん、今までで一番感想書くのが難しい。

いや、素晴らしい舞台でしたよ! 心の底から!

でもすごく切なかった。

原作は高校の時に一度だけ読んでて、その時は淡々と読み終わった記憶があるんですけど、舞台の方は丈二さんが演じるチャーリイに完全に引き込まれたせいで、もう胸が痛くて痛くて。

 

 

丈二さん…そう、もう丈二さんが凄くてね!? 今回なんと(端っこだけど)前から2列目という恐ろしく良席で観られたおかげで、丈二さんの表情がきっちり見えたんですよ。

そしたら、もう本当に凄いの! 台詞は勿論だけど、台詞だけじゃなくて、目が完全にチャーリイなの! この完全にというのは、チャーリイって最初知的障害があって、手術によって知能が高まって、でもまた戻っていってしまうわけじゃないですか。その様子が、2時間に凝縮された物語の中で完全に再現されてるんですよ!!

丈二さん元から好きだったし、どちらかというと笑いの方で好きだったけど、「本気で凄い役者さんなんだ」ということを思い知らされましたね、いい意味で。いや、妹とかから「以前『全く喋らない役』をやっててそれが本気で凄かった」と聞いてはいたんですが、「これがその阿部丈二の凄さか」みたいな。

お芝居が終わってから、ふっと「あ、目が素の丈二さんに戻った」と思った瞬間があって、その時は何かものすごいほっとしました。怖いくらい完璧にチャーリイだったんだなあ…。

しかも今回は主役の2人(チャーリイとアリス)がダブルキャスト(イグニスとアクア)でして、多田君の方もめちゃくちゃ気になる!! 気になるけど!!(涙)

安理ちゃんなんてアクアのアリスなのに、イグニスでは大家さんなんだもんな(苦笑)。この大家さんがいつもの安理ちゃんだっただけに(いい意味で)、アリスをどう演じてるのか本当に気になる…。

岡内さん(イグニスのアリス)にはラストシーンでもらい泣きしました。全身でアリスだった。

 

あと大内さんも凄い役者さんだなと。というのは、大内さんは善人をやっても悪人をやっても、どっちでもぴったりしっくり来るんです(今回の役は完全に『悪』というわけではないんだけど)。どちらかといえば善人(『少年ラヂオ』とか『スケッチブック・ボイジャー』とか)をやってる方が好きだけど、役者さんでもプロレスラー(笑)でも本当に凄いのは悪役ができる人だと思うし。

てか、あれ。私、大内さんを生で観たの2004年の『ヒトミ』以来だった! DVDで観まくってたから全然そんな気がしなかったよ(苦笑)。そして、『ヒトミ』の元ネタが『アルジャーノン~』だったと(入場時にもらえる)フライヤーで知って、何とも感慨深かったり。

 

切なさの理由は…実際に見て感じてほしいから(人それぞれで)、あんまり書きたくないけど。(あとアンケートに一生懸命書いたので、同じことはここで書きたくない)

結局のところ、チャーリイの孤独が癒されないままだったのが一番大きいでしょうか。ってことかな、結論的には。うん、やっぱりこれ以上書かない。

 

 

あとは。

・畑中さんを今までにない至近距離で観られたのが本当に嬉しかった! しかもダンスがセンター! ふ、やはりな。(何が)

あと、丈二さんの芝居を全身で受け止めてる感が凄かった。畑中さんに限らないんだけど、畑中さんが特に。

・坂口さんと三浦さん(チャーリイの両親)が凄かった。特に三浦さん。実際に結婚なさって娘さんが生まれたせいか、お父さんとしての情愛がすごく感じられて。あえて言うと、人間ではお父さんだけが理解者になれる可能性があったんだよな…。

お母さんのシーンは切なかった。回想も現在も。それを演じてる坂口さんを、女優さんとしてまた好きになりました。