ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

オーディオミュージカル『星月夜』 ~ふたりのゴッホ~

(※まあまあネタバレしてるのでお気を付け下さい)

 

https://www.tohan-entertainment.com/

まだ一週間くらい配信期間があるから間に合うよ! お二人のファンならぜひ! 聴くだけなら2000円ちょいです!

(特典も観た方が深まるとは思うけどとりあえず聴いてほしいので)

 

こちら、伊東健人さんと白井悠介さんという推しと推しが出演するオーディオミュージカルなので情報が入った瞬間から絶対聴くとは思っていたのですが、なかなか時間が取れなくてようやく聴けました。思っていたよりとてもよかったので即行で2周目聴いてます。

そもそもオーディオミュージカルとは何ぞやと言いますと、音声のみで表現されるミュージカル作品なんですね。なので絶対イヤホンかヘッドホンで聴いた方がいいです!

公式サイトのイントロダクションにも書いてあるんですけど、舞台って行きたくても行けない理由がそれぞれ色々あるじゃないですか。私も朗読劇とかの情報を見ても「まあ東京でしょ」で大体終わります(主に旅費の問題)。

そういう人達でも楽しめるように考えてくれた媒体なんですね。それを読んでいたので尚更聴かなければと思っていたのもあります。

 

とは言いつつ、「まあでも言うても音声だけやろ?」と思ってたんですけど、しかし聴いてみたらめっちゃよかったんですよね……。

このミュージカルって(公式サイトをしっかり読んでなかったので)二人芝居かと勝手に思い込んでたんですけど、実際は一人芝居×2という構成で、前半が伊東健人さん演じるテオ(弟)の物語、後半が白井悠介さん演じるヴィンセント(兄)の物語なんですね。

その前半が後半で生きてくるのがすごくて。だって前半きらきらしてるのに後半始まった途端、めちゃくちゃ不穏なんだもん……。その不穏さを演じている白井君が素晴らしくてね。

そもそも言うと、元々は実際の舞台作品として上演された作品だそうですが、その時はテオの物語だけだったそうです(音楽担当の伊藤靖浩さんがご自分で演じられたらしい?)。今回のオーディオミュージカルにあたってヴィンセントが追加されたと。それはあれですよね……全然印象が違いますよね。

だって、ヴィンセントの物語がなかったら爽やかに終われるじゃないですか。もしくはヴィンセントを先にやってテオを後半にするとかね。でもヴィンセントが後半なんだなって。いや大好きなんですけどね!!

有名な話なので伏せなくてもいいとは思うのですが、ヴィンセントさん自分で左耳を切り落とすじゃないですか。

それが今回の物語のクライマックスらへんなんですけど、そうすると左の音が実際に遠くなるんですね。私、左耳が少し悪いので一瞬自分のせいかと思って焦りました。悪いのにさらに音が遠いので何かめっちゃリアルでした。(最初ヘッドホンだったんですけど、イヤホンだとそこまで遠くなかったですね)

で、その時の歌が最高なんですよ……。この「最高」っていうのは決して明るい気分ではないですごめんなさい。でも好きなの。

一人芝居でありつつも兄弟が一緒にいる場面もあるのですが、その時はピアノが相手の台詞の雰囲気を表してて、その演出がめちゃくちゃ好きでした。台詞を自分の想像で補完できるの楽しくないですか。

 

ゴッホについては、名前と、死後に評価されたことと、自画像と『ひまわり』と『星月夜』と、兄弟がいたことくらいしか知らなかったんですけど(テオのお陰で死後とはいえ評価されたんでしたっけ?)、逆にそれだけでも知っててよかったなというか。

本当にこの程度しか知らないんですけど『星月夜』の絵はめちゃくちゃ好きなんですよ。ハンズでレプリカが売ってて、ずーっと買うかどうか迷ってたんですけど、ついに買う時が来たかもしれない。(そして伊東健人さんのポスターと同じ額に入れて飾りたい)

そして付け焼き刃でwikipediaを読んだんですけど、テオも兄の後を追うように亡くなってるんですね。いや待って、そうなるとテオのエンディングの意味が変わってくる…。これを踏まえてもう1回聴かないといけない…。

いやーーー、楽しい! こういうの考えるの楽しい! まさか音声だけでこんな体験ができるとは! すごい!

 

歌で言うと、私は圧倒的に伊東健人さんファンなんですけど、なんですけど、白井君がめちゃくちゃよかったです……。(そもそもヒプマイはシブヤ推しだしヒプマイに触れたきっかけは白井君)

最初の曲は割とフラットに歌ってて、その後はもう少し感情が込められた感じになるんですけど、そのフラットな感じから感情的になるところまで全部好きでした。

何かさ……普段あんなに明るいのに、陰のある役が似合うの何なんですかね。カリスマ性ってこういうこと?

いやだからこれね、キャスティングを逆にしてもめちゃくちゃ良いと思うんですよ! 円盤発売とか再演で叶いませんかね!? そもそもこのお二人が声優になる前から友人だからね!(同じ養成所とか同じバイト先とか) そういうところも重なるじゃないですか!

歌な……最後の『星月夜』がヴィンセント編を聴いた時に完成されるのはめちゃくちゃ感動しましたね……。

特典映像も観たんですけど、やっぱりこれ難しかったんだろうなと感じまして、プロってすごいなと思いました。(語彙力のなさ)

歌ってるところ観たらやっぱり伊東健人さんすごいわ、めっちゃすごいわ。歌めっちゃ上手いからいつかミュージカルやってほしかったんですよね。ちゃんとそのお仕事が来て、ちゃんとそれに触れることができて嬉しかったです。