ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

『ギア-GEAR-』観てきました

(※自己解釈およびネタバレを多分に含んでいるので、観に行きたい方はこんなの読まずにぜひ劇場へ行ってらっしゃいませ!)

 

www.gear.ac

 

www.youtube.com

 

はてなブログって埋め込みが簡単なんだ……。すげえ……ありがてえ……。

ということで、京都の専用劇場のみ(のはず)で上演されている『ギア-GEAR-』を観てきました。こちら台詞のないエンターテインメントとなっておりまして、演劇要素を下敷きに、演者さん達がそれぞれ自分の得意なパフォーマンスを披露したり、Perfumeばりのプロジェクションマッピングで魅せたりと、大人から子供まで楽しめる演目となっております。世界設定はスチームパンクっぽいです。

『ギア』をもう10回以上行っている弟(キャラメルボックスとかヒプマイとか一緒に行ってくれる)から年単位で誘われていて、私も誘われる前から存在を知っていたしイメージイラストは山田章博さんだしで何となく興味はあったのですが、まあ追いかけたいものが多くて時間にも財布にも余裕がなく。

(ちょっとチケット高いんですよね。1回行ったらリピート割引券をいただけるのでリピートはしやすいんだけど)

が、今夏は特にイベントがなくてぽっかりしていたところを誘ってもらい(弾丸で帰省はしたけど。台風の前にこちらに戻りました。弾丸だったので連絡できなかった友達ごめん)、休みも合ったので一緒に観てきました。

結論から申しますとめちゃめちゃ面白かったです。『ギア』の何がすごいかというと(色々あるんだけど)、キャスト5役が日替わりで同じ組合せを観たくても次はいつになるかわからないんですよね。うち2人が同じはまあまああるけど、3人となるとないです。

私が今回観たのはこの皆様でした。なので、私にとってはこの皆様が『ギア』の親鳥です。親ギアです。一役にキャストが5人前後いらっしゃるんですけど、数年前はマジックに新子景視さんもいらっしゃったんですね。うわー、観たかった。(新子さんはテレビで拝見して「す、すげー」となりました。マジック観るの好きなんです)

 

マイム : 岡村渉
ブレイク : ユウタ
ドール : 佐々木ヤス子
マジック : 松田有生
ジャグリング : 深河晃

(敬称略)

 

とりあえず8・9月のスケジュールは出てるんですけど、今のところこの組合せはないですからね。奇跡の1日としか言いようがない。

皆様本当に素晴らしかったんですけど、今回特に好きだったのはマイムの岡村さんとマジックの松田さんでした(ちゃんとアンケートにも書いた)。岡村さんは、マイムってやっぱり何もないところに世界を創るものだから、岡村さんが動くとその周囲に世界が生まれるんですよね。WWEのトップレスラーみたいな(誰に伝わるのか)。何て言うの、そこだけ空気が変わるというか。

松田さんは、さっき書いた通り元々マジックを観るのが好きなのもあるし、あと顔が好きでした!(ちゃんとアンケートにも書いた) キツネ顔の男性好きなので。あとカーテンコール(カーテンないけど)で大技決めておられて恰好良過ぎたんですよ。本当にイリュージョンマジックってすごいよね。まあまあ近距離でしたけどタネが何もわからんっていうね(それでいいんだけど)。いやそんで普段のマジックって話術も大事な要素だと思うのに、『ギア』って話術封じられてるのよ!? それであれだけのマジックを見せられるの本当にすごいと思う。

そうは言うても、役柄は分けて書いてあるけど台詞がないんだからみんなマイムしてるわけだし、マジックも関わってるし、ダンスもあるんだから、大変ですよこれ!? すごいですよ!? ユウタさんと深河さんも若さ溢れてるし、あと小柄なところが好きでした。小柄な男性好きなんですよ!(サッカー選手でも小柄な選手に目が行きがち)

確かにこれはリピートしてしまう。でも、個人的にはもう少し演劇要素があってもいいかなあ。ただそうすると年齢層が限られちゃうんだろうな。いや、わからないなりに楽しめる可能性もあるけど。

 

ということで、ここから自己解釈およびネタバレ全開なのでご注意。

 

(あくまで自己解釈なので全部鵜吞みにしなくていいですよ。あなたにはあなたの解釈がある!)

 

ストーリーは(公式サイトにもあるんですけど)、昔は大人気のおもちゃだった「ドール」(リカちゃんとかバービー的な)を作って栄えていた工場が、今はもう廃工場になってしまって人間達も去ってしまって、最後に残された4体のロボロイド(人間型ロボット)が、たぶんもう工場としては何を作ってるわけでもないけどプログラムに沿って働き続けてるんですよ。

っていうのが表されただけで既に泣いてた私。こういうの弱いんだもん……。いやこれ表現もすごくてね!? 始まる前から舞台は普通に見えてるんですけど、明らかに古い建物が、開演したらプロジェクションマッピングで全盛期だった頃が映し出されて、それが薄く消えていくと今のさびれた風景になるっていう。いや泣くやん。泣くって。

で、もうボロボロだから普通に操作しようとするだけであちこち壊れそうになって、トラブルが起こる中で、出荷されずに残っていたドールが箱のまま上から落ちてくるんですね。ロボロイド達がそれを取り出して眺めたりしていると、ドールが不思議な力で大きくなって、自分で動き出して……というところから物語が動いていくんですよ。

そのドールがロボロイドに触れると、不思議な力がロボロイドにも伝わって一時的に人間に近くなってすごいパフォーマンスをする、みたいなのが中盤の流れで。ドールはドールでロボロイド達と触れ合うことにより人間に近付いていく…らしいんですけど、ドールって人間になりたかったのかな、というのは正直言うとちょっとわからなかったです。いやそこまで深読みする必要ないんだろうけど、一応、演劇大好き人間(観る専門だけど)なのでそういうところを深読みするのが楽しいというか……。

で、クライマックスではちょっとしたことから工場が大暴走を起こしてしまい、何とか耐えようと頑張るんですが、やっと収まってドールが目覚めた時にはロボロイドは全員機能を停止していて……という、ここで話が終わるんちゃうかと思った私。どんだけSAD END好きやねん。いや好きなんだもん! 「(初期しか聴いてないけど)BUMP OF CHICKENで一番好きなのは『ハルジオン』」って言ったら「暗っ!」って言われたのが私です。誰も動かなくなった廃工場からドールだけが出ていくエンディングとか想像してました。実際のエンディングはぜひ自分の目でご覧下さい。