ネコと紫の日記帳

ひたすら己の趣味の備忘録。読んで下さる方ありがとうございます。

NAPPOS UNITED『仮面山荘殺人事件』2023・1

(※原作あるし再演なのでネタバレしてます。お気を付け下さい。これからDVDなどで初めて観たい方は絶対読まないで)

(あくまで自分用の感想です)

(初演の感想はこちら↓)

seamoon.hatenablog.jp

seamoon.hatenablog.jp

seamoon.hatenablog.jp

 

キャラメルボックス再始動後の運営をして下さっているNAPPOS UNITED。こちらは元々は仲村和生さんの別会社で独自の公演を上演しておりまして、『仮面山荘殺人事件』初演はキャラメルボックス活動休止中に上演されたものでした。2019年……あれ、そんな前だったっけ。今は、全盛期ほどでないにしてもキャラメルボックスの公演が再び定期的に行われるようになり、感謝の念が絶えない日々です。

そのキャラメルボックスで一番好きな(もっと言えば「役者の中で一番好き」と言いたいけど、今そんなに出演作を観れてないしな)畑中智行さんのために初演を2回とも行ったこの『仮面山荘殺人事件』、再演も何とか無事に観てまいりました。大千穐楽もめちゃくちゃ行きたかったけど流石に平日の昼間は厳しかった。(大阪がまさかの平日だったので友人が行けませんでした……)

こちらは東野圭吾さんが原作のミステリーでして、マジで先にネタバレを読んでしまうと勿体ないにも程がある作品です。映像でも原作でもいいのでまずは自分で体感することをおすすめします。

今回パンフレットを買ったんですけど、まあまあネタバレしてて嬉しかったです。だって、どういう気持ちとかプランで演じておられたのかがとても気になっていたので。

ということで、ここから下はネタバレなので! ご注意下さい!

 

 

ネタバレですよ? よいですか?

 

 

ネタバレ全開ということで、いきなりラストのことから書いちゃうんですけど。

物語を締めくくる(原作にはない)朋美のラストの台詞。あれ、初演では「この世のものではない朋美がこの成り行きを見守っていて、最後出て行こうとする高之にかける言葉」という印象だったんですけど、再演では「あっ、これ死ぬ直前の言葉だ」と感じたので切なさが増しすぎて大変でした。絶対アクセル踏む直前のやつやん。情緒が死ぬ。いやどっちも好き。(※あくまで自己解釈)

最後、舞台上で高之と朋美が見つめ合って暗転だったんですけど、初演もそうでしたっけ。DVD観なきゃ。

いやー、だからさー、サイコパスではないけど高之はクズだと私は思います(断言)。初演観た時に最後の最後まで展開がわからなくて、「お前やったんかーい!」ってなったのもすごく楽しかったけど(笑えるという意味ではなく)、翌日に弟妹と一緒に観終わった後に弟が「いや、あれ、どういう……?」みたいにめちゃくちゃ悩んでて、「主人公がクズってことやで」と言ったら「そうやんな!?」とめちゃくちゃ腑に落ちてたのを今でも思い出します。(今回も妹と行きました)

あれさ、高之さんさ、最初は純愛だったんだよね? 信じていいよね? 初演の時はそう思えてたけど、全部わかってる状態で再演観たらいまいち高之を信じられない自分がいてつらかったです。だってほら、大きな製薬会社の社長の娘さんってだいぶ早よからわかってたやん。それでいうと初演も「純愛」に見えてただけで実はそうじゃなかったかもしれないけど。(どうだったんでしょうか)

初演の高之と朋美も大好きでしたけど、再演の溝口琢矢さんと清水由紀さんも素晴らしかったですね! 『かがみの孤城』初演のリオンにあんなに泣かされたのにね! 今回のキャスティングが最高にも程がありました! お前あんな可愛い彼女をよく亡き者にしようと思えたな! そらまあ確かに雪絵さんも可愛かったけどさ!

だから高之はクズはクズだと思うんですよ!!(戻ってきた) まあ確かに、真面目な人だったんだなとは思う。でないとあそこまでできない。(褒めてない)

朋美役の清水由紀さんは『彼の背中の小さな翼』を映像で観て好きだったことは覚えてるんですけど、具体的な物語を思い出せないのでもっかい観たい……。今回の朋美が可愛すぎてつらかったです……。初演の朋美は儚かったんですけど、再演の朋美はとにかく可愛かった。可愛かったからつらかった。あんな男捨ててしまえばよかったのに……。

雪絵役の稲田ひかるさんは同じく『かがみの孤城』初演のアキちゃんにぼろっぼろに泣かされたので。最後、2人並ぶシーン(ネタバレ伏せる)を思い出すだけでまだ泣ける。

で、アキちゃんは結構気の強い感じだったんですけど、今回の雪絵さんはおしとやかなお嬢様でね。稲田さんだとわかってるのに観てる間はそのことを忘れるというか。朋美とは違った方向で可愛くて、いやわかるで高之の気持ちも。あんな可愛い子2人に同時に好きになられて、軽い気持ちで向き合えなかったというのは(世渡り上手かったら浮気でも何でもできるわけだし)。でもさあ!

という意味では、「わかっている」からなのもあるけど再演の方がめちゃくちゃ感情移入して観ていた気がします。そう、雪絵さんといえば、序盤の高之とバルコニーで話している時に表情が揺らいだ(ように見えた)瞬間がありまして。

だからさ、高之以外のみんなは高之の正体というか殺意を暴こうとしているわけじゃないですか。その「暴こうとしている」のが見えるのがすごく楽しかったんですよね。あと、パンフレットにもあったけど「高之が行くとまずい所には行かせない」とかね。初演では全然気付かなかったので「これ押し止めてる…!」とわかった時はめちゃくちゃ楽しかったです。

でも雪絵的には信じたかったんじゃないかな……。あー、観ている時にはそこまで考えが及ばなかった! 雪絵は信じていたんですよね!? 違います!? だって、実らぬ恋をしてしまったとはいえ朋美のことも高之のことも好きだったんでしょ!? 2人に幸せになってほしかったんでしょ!? いかがですか!

 

めちゃくちゃ感情移入して感想書いてしまった……。楽しい。一旦ここまで。